医学部1〜3年生対象に「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を開催

お知らせ

2023年11月4日(土)、医学部1~3年生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が行われました。

事前に抽選で選ばれた5名の医学部生が参加し、一般・消化器外科学教室の李 相雄 教授及び濱元 宏喜 助教の指導のもと、シースパイク、リングコースター、縫合練習などのプログラムが行われました。

参加学生は、最新医療機器に触れることができる研修を心待ちにしていたこともあり、各プログラムに真剣に、且つとても楽しそうに取り組んでいました。

手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台を用いた医学部生を対象とした研修は、充実した医療環境を整える大阪医科薬科大学病院、並びに教育環境を整える大阪医科薬科大学医学部だからこそ実現できるものです。

参加した学生のコメント

医学部1年生 増本 陽好実


本格的に実習が始まっていない一年生の段階で、このような実際の臨床医療の場で活用されているダヴィンチを体験することが出来て、とても良い経験になりました。初めにダヴィンチで簡単な操作練習をしてから、腹腔鏡下での縫合体験もさせて頂きましたが、難易度の差に驚きました。腹腔鏡下では持針器がとても動かしにくく、全体的に思い通りに動かせないことが多く、沢山練習をしないといけないということが比較してみるとより良く分かりました。それに対し、ダヴィンチでの縫合体験では視界が開けていて両手の可動域も広く、操作方法もとても簡単でした。力加減の感覚が分かりにくいということはありましたが、このような医療ロボットが普及していけば、不器用だから外科に向いていないと諦めなくても良くなったり、椅子に座ったまま手術が出来るので手術する先生の疲労も軽減することが出来、外科へのハードルが下がるだろうと思いました。    
私は将来外科分野に憧れているので、今回の体験会で外科の先生方と会話したり、ダヴィンチに触らせて頂いた経験はとても新鮮で、将来へ向けてのモチベーションが上がりました。ありがとうございました。

医学部1年生 伊藤 万莉奈



元々外科に憧れ、医師を目指した私にとって、本体験は憧れの世界にぐっと近づいた貴重なものでした。実際にダヴィンチと腹腔鏡手術の体験をしましたが、特に腹腔鏡手術は、直接手元を見ずに僅かな感覚を調整することが求められ、難しいものでした。腹腔鏡手術と比較すると、ダヴィンチは実際の手の感覚の再現にとても近いと感じました。ロボット手術は、その動きの繊細さや、実際の手の感覚への近さにより、ストレスを感じず画期的であると感じました。
しかし、全てをロボットに頼ることはできず、万が一機械が不具合を起こしても必ず救える医師であるよう、自身の技術を磨くことを怠ってはなりません。これからは、ロボットと組み合わせて、両方の手術を行える外科医が求められると思います。
本体験は、将来の夢をダイレクトに形にしたものでした。その結果として、大きな壁は感じましたが、難しさを知ったからこそ一層努力が必要である、と身を引き締める良い経験となりました。外科医は特に、自身の技術が命に直結する大変責任の重い職業であると思います。だからこそ、外科医になる上では、知識だけでなく技の専門性を磨き、患者を救える医師を目指したいです。

医学部2年生 貴田 光香子


当日は、事前に配布された資料の動画を見て臨みました。腹腔鏡と比較してda Vinciでは手の震えもなく、無理のない体勢で操作が出来たことに感動しました。しかし、操作の触覚がなかったので、強く引っ張りすぎて縫合糸が切れてしまったり、針を刺す深さを調節するのが難しく、視覚で補うのに苦労しました。また、機械本体や鉗子類のコストが高いことなどデメリットも分かりました。
体験会では研修医の方と一緒だったので、大学の話や働く上で苦労したことなどの話をしました。2年生では基礎医学ばかりで、実際に自分が病院で働く像が見えにくく勉強のモチベーションが上がらなかったのですが、今回の体験会を通して、基礎研究もいいけど消化器外科も面白そうと思い、勉強を頑張ろうと身が引き締まりました。

医学部3年生 梶田 拓壮



私が今回の体験会で感じたことはda Vinciの凄さです。ニュースや普段の授業で医学の進歩について多く聞かされていましたが、その瞬間を垣間見たような気がしました。私はメディカルトレーニング部に所属しており、縫合や結紮など一応一通りは学んでいますが、手で行うのと変わらず生理的な震えも無く、自分の手かのように遠隔操作で縫合や結紮ができるのです。  腹腔鏡を使った縫合では針を持つことすら難しかったのですが、da Vinciでは3次元画像を見ながら行うことが可能なので、今まで触ったことが無かった私でも簡単に扱うことができました。このような医療機器の発展のおかげで、世界の平均寿命が上がっているということに納得しました。
医療ドラマ等でしか見ることができなかったda Vinciを今回初めて触ることができて、すごく楽しかったです。早くda Vinciを使いこなすことができる医師になれるよう、日々精進して参ります。最後に、今回の体験会を企画してくださった李先生、濱元先生、事務の方々ありがとうございました。