医学部生対象「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を開催

お知らせ

2023年6月17日(土)、医学部4~6年生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が行われました。

事前に抽選で選ばれた5名の医学部生が参加し、李 相雄 教授(一般・消化器外科学教室)の指導のもと、シースパイク、リングコースター、縫合練習などのプログラムが行われました。

参加学生は、最新医療機器に触れることができる研修を心待ちにしていたこともあり、合間の糸結び練習含め、各プログラムに真剣に、且つとても楽しそうに取り組んでいました。

手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台を用いた、医学部生を対象とした研修は、充実した医療環境を整える大阪医科薬科大学病院、並びに教育環境を整える大阪医科薬科大学医学部だからこそ実現できるものです。

参加した学生のコメント

医学部6年生 稲岡 涼



da Vinciを操作できてとても良かったです.普段から消化器外科を目指して,腹腔鏡鉗子を用意して,2D画面で折り鶴を折る「神の手チャレンジ」を練習しています.まず,da Vinciでは3Dであるため,距離感がとても掴みやすいです.また,アームが手の動きに合わせて自由に動くため,手技がしやすいです.腹腔鏡とは操作性が格段に違いました.しかし,どこにでもda Vinciがあるわけではありません.安全性のみを求めるのであれば,全国にda Vinciを配備するべきでしょう.また,da Vinciではできませんが,ロボットアームを使うことで遠隔での診療も可能になるのではないかと思っています.現在はオンライン診療がありますが,オンライン診療では身体診察に制限があります.例えば,僻地にロボットを配備し,遠隔操作で身体診察が可能になれば僻地での医師不足は解消されるのではないでしょうか.また,医師のQOLも改善されるのではないでしょうか.

医学部5年生 髙田 典明



Intuitiveさんの手術用ロボット、ダヴィンチの操作体験をしました。操作性が直感的で、視野操作もゲーミング感覚で操れるのでこれからの世代の人に馴染みやすい機械だと思いました。
ポテンシャルを多く秘めたロボットで、画像処理ソフトウェアや遠隔通信技術などとの親和性は高く、多職種連携をすれば公衆衛生の大きな柱にもなりうるものだと思いますが、法整備や保険の兼ね合いで未だ課題は多いようです。
現状、腹腔鏡では不可能な、ロボット手術でしかできないような術式を術者が編み出せておらず、優れた機能の割にはそのアドバンテージを活かせていないのを感じました。ロボット手術の普及には、使用者側からもロボット手術の良さを伝えることが重要なんだと思いました。
テクノロジーと医療の関係にはかねてから興味があったので、ダヴィンチの体験、Intuitive様のお話を伺えて本当に充実した体験会でした。ありがとうございます。

医学部4年生 徳野 隼暉



私は以前から手術支援ロボットに大変興味があり、以前から本体験会に参加したいと思っていた。2018年ごろに某テレビドラマで手術支援ロボットが登場するシーンを見て、当時高校生だった私はこのロボットは現実にも存在しているのかと興味を持ち、医療支援ロボットについて具体的に調べていたことがあった。そのため、今回の”da Vinci”を扱う研修会に参加できることを心待ちにしていた。
本体験研修会は非常に興味深く刺激的なものであり、“da Vinci”の高度な技術とその手術支援能力に驚嘆した。また、手術ロボットが外科医の手術技術を補完し、より正確かつ安全な手術を実現する機能には感銘を受けるものであった。実際にロボットアームを操作して手術を行う体験は非常に貴重であり、手術現場でのリアルな状況を疑似的に体感することができた。
この研修を通じて、多くのことを学び得た。まず、“da Vinci”は高い精度と操作性を備えていることを知得できた。ロボットアームの微細な動きを制御することで、外科医は細かな解剖学的構造にアクセスし、繊細な操作を行うことができ、また、手術中の痛みや出血を最小限に抑える効果もあり、患者の回復を促進することができるということも十分に理解できた。
この体験を踏まえて、実際の手術現場での経験を積むことがより重要だと感じた。研修会でのシミュレーション体験は貴重であったが、実際の手術においてロボットを操作する技術を磨くためには、より実践的な経験を積むことが必要である。手術を実際に行うことで、手術支援ロボットの適用範囲や限界をより理解し、その活用方法を熟知することが不可欠であると、本研修会を通して痛感できた。
このように、手術支援医療ロボット”da Vinci”の高度な技術と可能性に触れられた体験研修会は、私にとって大変貴重な経験であり、今後の医師としてのキャリアの展望に大きな影響を与えるものとなった。今後は、最新の手術支援ロボットの研究・開発動向を追い、専門知識を深めるとともに、実践的な経験を積むことで、手術支援ロボットの発展を支える立場になれることを目指している。

医学部4年生 田中 日菜



今回、初めてda Vinciを操作してみて、何よりも驚いたのは使いやすさです。一番初めこそ両手と足を使った操作に苦戦しましたが、想像していたよりも短時間で慣れることができました。リングを掴み移動させるプログラムでは、da Vinciの画面上ではかなり大きいリングを掴んでいる感覚だったのですが、実際の大きさは5mmほどのリングだったので、直接手を触れて掴むよりもda Vinciを使用した方が容易に掴むことができるのではないかと思うほどでした。また、同じプログラムをラパロでも体験しましたが、手元の細かい動きや距離感を掴むのがとても難しく、da Vinciを用いた方が遥かに容易でした。他にも患者さんへの負担の少なさや術者の身体的負担の少なさなど、とても利点の多い手術だと感じました。約半年後から始まる病院実習では手術を見学する機会もあると思いますが、今回学んだことをこれからの学びに活かしたいです。
最後になりましたが、指導してくださった李先生、企業の方々、関わってくださった方々、ありがとうございました。

医学部4年生 石原 聡輝



6月17日に医療ロボット「da Vinci」の体験会がありました。前回自分が3回生の時にも体験会があったのですが、抽選が外れて行けなかったので今回体験できて非常に嬉しかったです。da Vinciのような遠隔医療ロボットには興味があってどんな感覚なのか操作性に直接施術するのと比べて差があるのかなど気になっていたので、今回その辺りを詳しく知ることができて参加して良かったと感じました。自分の趣味が手先を使ったものづくりであり親和性が高いと思ったのも理由の一つです。
学んだこととしては、初めて実際に使われている医療機器を触ってみて何も訓練を積んでいない自分にとって非常に扱いやすく、腹腔鏡下手術に比べて細かく操作できると感じました。da Vinciの機能として左右のカメラによる立体視で映される映像や、実際の手首の動き以上の可動域や、手ブレ機能など手術をする上で役立つ機能が多く搭載されているので経験のない新人や、手ぶれが多くなって立てなくなった高齢の外科医にとって現役寿命を延命してくれるようなロボット技術だと感じました。
開発会社の方に伺ったところこのロボットのおかげで1番のメリットは全体の手術成功率の底上げ、つまり手術が全盛期に比べ衰えている若手や高齢の方向けに補助が出来ることとおっしゃっていました。
今回の体験会で一つ選択肢として外科医の進路もますます考えるようになったと思います。ロボット体験の他にも李先生から縫合術を教えて頂いたり、ゲーム感覚で対戦ができて面白かったです。貴重な体験をありがとうございました。