2024年7月20日(土)、医学部生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が行われました。
第1~6学年の6名の医学部生が参加し、田中 亮 助教、濱元 宏喜 助教(一般・消化器外科学教室)の指導のもと、シースパイク、リングコースター、縫合練習などのプログラムが行われました。
参加学生は、最新医療機器に触れることができる研修を心待ちにしていたこともあり、合間の糸結び練習含め、各プログラムに真剣に、且つとても楽しそうに取り組んでいました。
手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台を用いた、医学部生を対象とした研修は、充実した医療環境を整える大阪医科薬科大学病院、並びに教育環境を整える大阪医科薬科大学医学部だからこそ実現できるものです。
参加した学生のコメント
医学部1年 蔵野櫻子
この度はda Vinci体験会という貴重な機会を設けていただきありがとうございました。一年生が一人ということもあって緊張していたのですが、先生方が優しく接してくださったことで楽しく体験でき、また色々と質問もできて有意義な時間となりました。体験会は楽しく、色々な操作を一通り体験できるよう工夫されているのを感じました。先生方からは他に、ロボットを用いた手術の導入が進んでいて医師の負担が減っていることや、da Vinciを用いた手術は卒後研修を終えた後、数年経てば実際に行うことが出来ることなどを教えていただきました。外科の道に進む敷居が低くなっていることを感じました。実際に現場に立つまでまだまだ年数はありますが、その日まで勉強に励んでいこうというモチベーションがとても高まりました。またこのような機会があればぜひ参加したいと思います。
医学部2年 濱田帆花
手術ロボット「ダヴィンチ」体験会に参加し、得られた知見は大きく分けて二つあります。まず、ダヴィンチの精密さと操作性の高さを知ることができました。手術用のロボットアームは人間の手の動きを忠実に再現し、微細な動きも正確に行うことができます。これにより、従来の手術よりも侵襲が少なく、回復が早い手術が可能になると感じました。まるで小人になったような気持ちで何のストレスもなく細かい作業を行うことが出来ます。手術の精度を向上させるだけでなく、医療従事者の疲労軽減にも貢献していることが分かりました。 もう一つは、ダヴィンチの導入によって変わった労働環境です。従来の手術では医師が交代するのが難しかったのに対し、ダヴィンチを使用することで手術の途中での交代が容易になり、複数の医師が交代で手術を行うことが可能となりました。この体験を通じて、未来の医療の可能性を強く感じました。
医学部5年 近ミレ
今年の1月から臨床実習が始まり、様々な診療科の実習に参加させて頂きましたが、呼吸器外科の実習にて、da Vinciを使った手術を見学させて頂きました。その際、術者の手のブレが反映されない点、座って手術することができるため長時間の手術でも術者が体力を温存しながら臨むことができる点、穴を体の複数箇所に開けるという、開腹手術に比べて患者さんへの侵襲が少ない点等、非常に魅力的な手術方法だと思いました。そこで、実際にどれほどda Vinci手術が難しいか体験したいと考え、今回の体験会に参加させて頂きました。da Vinciの操作に慣れるのに時間はかかったものの、優しい先生方の手厚いご指導の元、小さな物を摘み、移動させたり、縫合させて頂く等、貴重な経験をさせて頂きました。この経験を通して感じたのは、体力に自信がなくても技術を磨くことで手術に携わることはできる、外科の道を諦める必要性はないということです。どの診療科に進むかまだ決めていませんが、この経験は今後の自分の人生において大きな糧となったと思います。関わって下さった先生方、スタッフの皆様本当にありがとうございます。
医学部5年 石原聡輝
7/20に行われた医療ロボット「da Vinci」の体験会に参加させていただきました。今回は2回目ということもあり、操作方法や内容などは把握していたのですが、工学技師さんや消化器外科の先生方に話を伺う機会があり、da Vinciの現状や、市場拡大、資格について色々な事を勉強させていただきました。去年からこのロボット技術に興味を持ち、体験会に参加して操作性や医療現場で幅広く活躍しているのを知って益々興味を持ち、今はda Vinciを扱っている科(消化器外科や泌尿器科、呼吸器外科)で進路を決めたいと考えています。5回生になり病院実習でda Vinciを使った手術を見学する機会が増え、医療現場での活躍を実感しました。医療現場で多用されているのを見て益々da Vinciに対する興味が溢れ、将来的にそれに関わりたいと深く考えるようになりました。前回の体験会で操作性の高さと自分の自負している手先の器用さが親和性高く、とても楽しかった事を覚えています。自分がやっていて楽しい事、興味を持った事で決めていくのは将来の進路を考える軸として助けとなり、自分の進路が明確になると思います。進路を考える上でとても参考になる体験会でした。最後にこの体験会を企画してくださった医学事務課の方々、消化器外科の先生方、臨床工学技士の方々に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
医学部5年 林田慎太郎
臨床実習を行う中で、自分の将来として外科の道に進むことも考えるようになりました。その中で、今回「da Vinci」を実際に操作する機会があると聞き、ぜひ参加したいと思っていました。実際に操作してみて感じたのは、手の動きに合わせて直感的にアームを操作できることでした。この感想をIntuitive社の方に伝えたところ、「直感的に」という言葉がIntuitive社の社名の由来にもなっていると聞き、その意味を強く感じました。
日本ではすでに600台を超える「da Vinci」が導入されていると言われています。私が医師として一人前になる頃には、日本全国でロボット支援手術が当たり前のように受けられる時代になっているかもしれません。だからこそ、早期から積極的にトレーニングを受けてロボット操作の資格を取ることが重要だと思います。今回の講習会はその第一歩となりました。最後になりますが、このような貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。
医学部6年 河野隆世
先日da Vinciの研修に参加し実際に触った感想として感じたことは2つある。一つは精密な動作が可能であることだ。da Vinciはアームが4本あり(今回は3本を使用した)、それぞれが正確な動作を可能としていた。今回初めて触ったが、視野の取りやすさ、アームのブレの無さ、アームの自由度、視野の立体視により、手術の正確性、安全性を高めているように感じた。一方で、心臓などの大血管を扱う手術で緊急開胸に移行する必要が出た場合、アームを退ける等開胸までの時間がかかる問題もあるように感じた。
私は将来的に外科を専攻しようと考えている。病院実習では多くのda Vinciによる手術を見学し、今後のオペはロボット手術が中心になることを予感し、今回参加した。実際に触れることで、外科に対する強い気持ちが高まっただけでなく、da Vinciが出現したように、今後の医療イノベーションの推進に伴う新技術の出現が予想される中で、それらを積極的に取り入れられるような生涯学習の姿勢が必要だと感じた。今回の経験を活かせるよう、今後も積極的に行動し、学習を続けていきたい。