教員からのメッセージ 山岡由実

山岡 由実 教授
■ 専門分野/精神看護学分野

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【自己紹介】

2023年4月に着任しました看護学部の山岡由実です。私の専門は精神看護学です。学生のころからメンタルヘルスに興味があり、大学卒業後は、産業保健師として働く人々の身心の健康支援をおこない、経験を積みました。阪神淡路大震災をきっかけに精神看護専門看護師を目指す大学院のコースに進んだ後は、大学に勤務しつつ、精神科の病院で看護師として実践していました。博士後期課程では、再び保健師としてうつ病などの気分障害により長期休職している方々の復職支援に携わりながら研究を行い、現在も継続してその研究を発展させようとしています。他にも高度実践看護師の技術や高齢者の幸福感、災害時のメンタルヘルスなどの研究、実践に興味があり、学生さんとともに学びを深めていきたいと考えています。

【“こころ”と“身体”は分けて考えることができない】

対人関係職である看護職にとって、人の“こころ”に関わらないケアはありません。それは精神科だけではなく、どの分野においても同じです。私たちは看護をするとき、その人が、今ここで、どのような体験をしているのか、その人の“こころ”を“わかろう”とします。しかし実際には、人の“こころ”というものは複雑で、相反する感情を抱えたり、こころと行動が矛盾したり、自分のこころなのに、言葉にしたりうまくコントロールすることも難しいときがあります。
精神看護(実践・学問)では、そのような目に見えない、とらえどころがないようにも思える“こころ(精神)”を、学際的な理論や知識を基盤にして理解を深めます。そして「こころのよりよい状態や幸福感を高めること」、「こころの苦痛を軽減すること」を目指して、そのために必要な看護援助、方法、技術を学びます。

【学生さんへのメッセージ】

私は、皆さんが積極的に様々なことにチャレンジすることを望んでいます。そのような学生生活を通して、自分自身の生活とこころのつながりに目を向けて体験を意味づけ、それを言語化しながら、看護学の知識と結びつけていってほしいと思っています。そして、まずは自分自身の身体とこころの健康に目をむけてセルフケアに取り組んでもらいたいと思います。
皆さんが看護に誇りと責任をもち、創造性を育んでいけるよう、授業やゼミでは、単に知識を教えることに留まるのではなく、教師と学生が相互に理解を深められるようにしたいと考えています。そのことを通して、お互いに気づきや学びを得て、成長していけるとうれしいと思っています。