【自己紹介】
私は1988年に大阪医科大学を卒業し、運動器を専門とする整形外科医として勤務してきました。整形外科の中でも足の外科やスポーツ整形外科を専門として、現在も大阪医科薬科大学病院において診療を継続しています。2020年4月から看護学部に着任し、私自身もこれから学生の皆さんとともに看護学を学び、成長していければと思っています。
【超高齢化社会において運動器は重要な分野】
運動器とは身体運動に関わる骨、筋肉、腱、関節とそれを支配する神経の総称です。介護が必要になる原因の4分の1は運動器の障害です。人は座る、立つ、歩く、走るといった動作によって、日々の様々な生活を営み、人生を豊かなものにしています。運動器の障害は日常生活動作(ADL)に直結し、生活の質(QOL)を低下させ、結果的には生命をも脅かします。これから迎える超高齢化社会における健康寿命の延伸のために、看護学においても運動器は重要な分野であると考えています。
【学生さんへのメッセージ】
皆さんは本学での多職種連携教育を通してチーム医療を学ぶと思います。私は皆さんに、チーム医療の中で異なる価値観を持った相手の立場を理解し、その役割を把握し、情報を共有しながら、自ら考えて行動する医療人になってほしいと思っています。学生の間から多くの仲間と関わり、コミュニケーション能力を高めることはもちろん重要だと思いますが、卒業後、看護師として人と深く関わっていくことで、自然とその能力は向上すると思います。それとともに、是非、学生の間から専門知識を身につけてください。例えば、運動器においては座る、立つ、歩くなどの体の動きを十分に理解することが重要です。筋肉や骨・関節の名前、働きを理解し、どのように連動して体は動くのかを学びましょう。解剖を丸暗記するのではなく、どのようにして体は動いているのかを理解しながら学習することがとても大切です。