新カリキュラムでは6年間を通じて受講できる「学生研究員プログラム」を新設。早期にリサーチマインドを醸成し、EBM (Evidence-Based Medicine) を実践できる医師の養成を目指しています。1年次で「医学における研究とはいかなるものか」について、イントロダクションとなる講義を行い、3〜4年次では実際に学生研究に取り組む時間を設けています。そして得られた研究成果をポスターセッションで発表します。さらに希望する学生は,引き続き配属教室に「学生研究員」として所属し、研究を継続して学会や論文として発表することもできます。学生が自ら課題を発見し、それを解決する、という姿勢を身に付けるとともに、医師として臨床現場でEBMを実践できる資質を養うことを目的としています。
新カリキュラム「学生研究員プログラム」のメインは、実際に学生が医学研究を研究室で行う「コア期間」です。これは第3学年「学生研究2」において11~12月に4週間設定されており、研究室で集中して実験を行います。この期間内にほかの講義や試験などは一切設定されておらず、学生は研究に没頭することができます。
学生研究2は9月から、まずは動物実験や遺伝子組換え実験などを一人前の研究者として実施するため各実験管理委員会等から必修とされている講習会を講義として受講し、資格を得ることから始まります。その後、10月から週1回半日ずつ、配属される研究室に通いながら、指導教員とともに研究計画を立て、試薬等を準備して予備実験を行い、「コア期間」に臨みます。
4週間のコア期間で集中して実験をおこなったのち、1月から第4学年前期の「学生研究3」の間、随時研究室に通いながら追加実験、データの整理、プレゼンテーションの準備を行います。そして夏休み明け8月第4週の「研究発表会」で1年間の研究成果を発表します。
発表会場では、発表者である学生と教員、学生同士が真剣にディスカッションする場面が至るところで見られ、ポスター会場全体がまさに「学会場」と同じアカデミックな雰囲気に包まれます。学生研究はこの発表会で終わりますが、一部の学生は「学生研究員」として配属教室に引き続いて在籍して研究を続け、学会発表や論文作成を行います。学生研究プログラムを通じて、学生自身がリサーチマインドを体得し、そのあとのクリニカル・クラークシップ(臨床実習)において臨床現場でEBMを実践できる力を養うことができます。