2024年9月13日(金)
「第4回医療系大学のための教学IRセミナー」を開催しました
大阪医科薬科大学IR室では、昨年に引き続き獨協医科大学教学IRセンターと合同で、「第4回医療系大学のための教学IRセミナー」を開催しました。
当日、セミナーにご参加いただきました皆様、運営にご尽力いただきました方々に厚く御礼申し上げます。
開催概要
開催日時:2024年9月13日(金)15:00~18:25
開催方法:会場(大阪医科薬科大学本部キャンパス 歴史資料館3階大学院多目的講義室)及びZoom
参加者:62名(主催者・演者・スタッフを除く)
対象:IRおよび教務・入試担当の教職員
(なお、受講者には、受講証明書を発行、送付致しました。)
当日は、佐野学長(IR室長)による開会挨拶の後、第1部【講演】読解力は学修成果にどのような影響を与えているのか?と題して、本学 薬学教育推進センター/IR室 宮崎誠教授による研究報告「読解力と学部成績および国家試験成績との関係 薬学教育の研究から」が行われた後、獨協医科大学医学部教学IRセンター 医学教育点検推進室室長 山岸 秀嗣准教授による「IRによる課題発見のための調査・分析」の報告があり、会場、Zoomでの参加者からの質疑応答が行われ、約1時間半に及ぶオンライン(Zoom)配信を終えました。
休憩を挟んで、会場限定イベントとして開催された第2部は【ワークショップ】質保証へのIRを通じた学生参加の可能性 と題して、本学並びに獨協医科大学からの話題提供を受けて、本学及び獨協医科大学の教職員と本学学生をパネリストとして、学外からの参加者を交えた車座の座談会形式での議論が行われました。参加者それぞれの立場からの忌憚のない意見交換が行われ、会場は大いに盛り上がり、午後6時の終了予定時刻を繰り下げ、午後6時25分にセミナーの全日程を終了しました。
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佐野学長(IR室長)開会挨拶 -
宮崎教授の講演 -
獨協医科大学山岸准教授の報告

参加者数、参加校の設置区分、参加者の担当学部・職種・IR経験年数
参加者数
35校62名(Zoom54名、会場8名)(主催者・演者・スタッフを除く)でした。
参加校の設置区分
国公私立(設置区分)及び学校種の別については、私立大学21大学、国立大学7大学、公立大学3大学、私立短期大学1大学、私立専門学校1校、公立高専1校、外国の国立大学1校、その他2名でした。
参加者の担当学部
医学部26名、看護学部4名、薬学部3名、歯学系学部2名、全学部12名、リハビリテーション学部1名、情報工学部1名、データサイエンス学部1名、看護専門学校3名、その他は9名でした。
参加者の職種
職種の別については、教員40名、職員20名、その他2名でした。
参加者の経験年数
経験年数は、1年未満が6.8%、1~3年未満が22.7%、3~5年未満が18.2%、5年以上が11.4%、経験なしが40.9%でした。
参加者アンケート回答者(n=44)における参加校の設置区分、参加者の担当学部・職種・IR経験年数のグラフ

参加者からのフィードバック
参加者アンケートにおける満足度

(セミナー終了後のアンケートのご回答の一部をご紹介いたします。)
第一部セミナーについてのご感想・ご意見(自由記述)
・本学も読解力に問題があると思われる学生が少なからずおります。興味深いお話でした。
・共感できる部分も多かったです。今後の学生教育に活かしていきたいと思います。
・読解力を取り上げた今回のセミナーはとても参考になりました。高校での取り組みを知ることの重要性を感じました。
・読解力について、とても関心を持ちました。どのように入試に取り入れていくか、入学後にどのように向上させていくかは今後の課題となりそうです。またグループワークなどでコミュニケーション能力は向上すると思いますが、読解力にも影響するのかなども気になりました。
・読解力について医療系国家試験への影響について感じているところです。
・「読解力」について、とても興味深い内容でした。「読解力と国試の合否が関係あるんじゃないのか?」という教員側の疑問を解決にしてくれるIRの素晴らしさを感じました。一方で、打つべき対策がどうしてもセットになることを考えると、多部門との協力・連携や全学的な取り組み・検証が必要となり、なかなか介入する方法が思い浮かばない…と考え込んでしまいました。
・読解力のうち推論と具体例同定の能力が不足することと成績が関連することを知り、学生の指導に役立てられるようになると良いと思いました。
・私は医学教育に携わっているわけではありませんが、研究の仕方を教える際のポイント、および中上級の非ネイティブ日本語学習者を指導する際のポイントとも重なるところがあり、大変参考になりました。
・PISAの調査結果からRSTの活用と分析等、先生独自の様々な分析結果を興味深く拝聴しました。入試と読解力にどのような関連があるかは未知数ながら、読解力そのものは入学後にはあまり伸びるものではないというお話しもあり、仮に学修成果と読解力に関する研究が進めば、入試で予め読解力を持った人材を選抜する必要に迫られる時代が来るのかもと思いました。
第二部セミナーについてのご感想・ご意見(自由記述)
・実際に複数学年の学生が座談会に参加しており、日頃から大変充実した質改善活動をされていることが伺い知れました。
・会場のみということだったが、学生、教職員各々の立場からの生の声が聞けて良かったです。参加されたような優秀な学生ばかりではないですが、大学を良くしていくために当事者の学生の声を吸い上げることにデメリットはあまりなく、むしろ大きなメリットがあると考えています。
・もう少し参加者の発言時間(機会)が有った方が良かったと思います。学生が入っていたのがよかったと思います。
・学生参加をテーマにしているため、実際に学生さんに参加していただけたのはよかったと思います。非常にしっかりした学生さんで、驚いています。
医療系大学のための教学IRセミナーに対するご意見・ご要望をお聞かせください(自由記述)
・年に複数回実施していただきたいです。
・初めて参加させていただきました。とても勉強になりました。機会があればまた参加させていただきたいと思います。
・今後の教学IRセミナーの開催をどうかよろしくお願いいたします。
・教学IRでの分析を、大学教育への活用した事例や流れまでをセットでご紹介いただけると助かります。
・自前のデータを持つIRの調査研究が、当該組織を社会の中で適切に機能させていく上で、重要な媒体であることがよくわかりました。今後も同様の企画を継続していただければと思います。
・他学や他組織との共催など、次のステージに進まれてもよろしいのかと感じました。
・なかなか同じ大学にいても、本音で語れることは多くないですが、今回のテーマ設定が良く貴重な意見を聞かせていただくことができたと思います。他学も「あの手、この手」で取り組んでいらっしゃる様子がわかりました。
大阪医科薬科大学IR室では、今後も教学IRセミナーを定期的に開催致します。次回のセミナーでお目にかかることを、心よりお待ち申し上げております。