下顎骨再建後の咀嚼嚥下運動を包括評価する新たな評価法の検討

Key Words

下顎再建、咀嚼能率測定、検査用グミゼリー、嚥下機能評価

下顎骨再建手術における機能評価法の新規開発 -咀嚼嚥下運動を包括評価する検査用グミゼリーの開発と評価法-

医療現場の課題

頭頚部領域におけるがん治療では、医療技術の進歩により術前の顔貌を維持できる再建手術が可能となった。本手術評価における機能評価には咀嚼運動や嚥下運動の評価があり、それぞれ個別の運動として評価がなされてきた。本来、食物を口に入れそれを咀嚼し飲み込むのは一連の運動である。これまでの咀嚼と嚥下を別個に評価する手法は、自然な咀嚼嚥下の実態を反映するものでないと考える。また実際の医療現場においても、術後の患者が摂食嚥下に問題があった場合、従来の個別の運動評価法ではどちらに問題があるか不明であるのが問題点となる。
・下顎骨再建後の機能評価として咀嚼機能評価、嚥下機能評価があるが、それぞれ別個の計測となる。
・このため、術後の摂食障害があった場合、咀嚼と嚥下のどちらに問題がある不明である。

シーズ

本シーズでは咀嚼と嚥下を一連の運動としてとらえ、これを連続評価することで摂食嚥下を包括評価する新たな検査用試料の開発と検査手法を開発する事を目的とする。試料としては咀嚼能率測定用グミゼリーに着目した。咀嚼機能についてはガムテストなどがあるが、グミゼリーは飲み込むことが可能である。そこで、下顎骨再建後の機能評価として咀嚼機能と嚥下機能の両者の機能評価が可能となると考える。

医療現場の課題を踏まえたニーズ

下顎骨再建後の咀嚼機能評価としてグミゼリーを用いた検討を行い可能なことは報告している。今後はグミゼリーが嚥下機能評価に適しているか検討することになる。現在、嚥下運動評価の試料として下記に述べる検査に適したグミゼリーの開発が課題となっている。
1.色調
2.硬度
3.大きさ

取得した研究助成金

平成29年度~31年度 科研費 基盤研究(C)

論文・ 特許等

1.中島世市郎,河田 了,上田晃一他:下顎骨再建術における術前プレートの屈曲・テンプレート作成による手術効率化への工夫 頭頸部癌 41:78-82,2015.

2.Nakajima Y, Fujita H, Suwa Y, et al. Study on Reliability for Clinical Application of a Masticatory Performance Scoring Method Using Test half Gummy Jelly in the mandibular reconstruction patients. Oral Sci Jpn, 59-62, 2015.

共同研究先

新潟大学歯学部</font>