透明包帯による小児の点滴固定

Key Words

包帯、小児、血管外漏出

小児領域において薬剤の血管外漏出による皮膚損傷が報告されている。小児は成人と異なり、症状の表出が明らかでなく、発見が遅れて重症化することもある。医原性ということもあり、訴訟の対象となる可能性がある。現在、各施設で薬剤血管外漏出への対応を検討している。

医療現場の課題

薬剤の血管外漏出のリスクには、体動、点滴の刺入部位、輸液ポンプの使用などがあげられる。小児では安静を保つことは困難である。関節部に針を留置した場合、関節を可動させることで容易に針が抜けるため漏液の原因となりやすい。そのため、小児では関節をシーネ固定することとなるが、包帯やテープなどの固定具により刺入部位の観察が困難となる。定期的に固定を外し、血管外漏出がないか確認することを求められるが、明確な時間や方法は統一されておらず、医師、看護師の負担は大きくなることが想定される。また小児では漏出の訴えがはっきりしないため、漏出の発見が遅れる傾向にある。小児は皮下組織が疎であるため、輸液ポンプの使用により漏出発生後にアラームが鳴らないことがあることもリスクとなる。

医療現場の課題を踏まえたニーズ

薬剤血管外漏出の治療法は標準化されておらず、早期発見、早期予防が重要である。観察がしやすいよう、刺入部は透明のドレッシング材を使用しているが、シーネ固定には白色の包帯やテープが用いられている。
下記の2項目の実現が求められる。
・シーネ固定に用いられる弾性包帯、テープに代わる、透明な固定具の開発。
・皮膚剥離、アレルギーを起こしにくい素材の開発。

実現可能となれば、高齢者、救急での使用を検討する。

希望する共同研究分野 (もしくは企業)

繊維業
ナノファイバー開発企業