医学部生対象「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を開催

お知らせ

2022年11月5日(土)、医学部1~3年生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が行われました。

事前に抽選で選ばれた6名の医学部生が参加し、李 相雄 教授(一般・消化器外科学教室)の指導のもと、シースパイク、リングコースター、縫合練習などのプログラムが行われました。
参加学生は、最新医療機器に触れることができる研修を心待ちにしていたこともあり、各プログラムに真剣に、且つとても楽しそうに取り組んでいました。
手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台を用いた、医学部生を対象とした研修は、充実した医療環境を整える大阪医科薬科大学病院、並びに教育環境を整える大阪医科薬科大学医学部だからこそ実現できるものです。

参加した学生のコメント

今回のダヴィンチ研修会を通して感じたことは、ダヴィンチの操作のしやすさについてです。自分は今回初めてダヴィンチに触れたのですが、触っていくうちに慣れていき、最終的には縫合、糸結びまですることができました。この操作性の良さは主に鉗子の先が自由に動かせるところにあるのかなと思いました。腹腔鏡の手術では鉗子の先は曲げることができず、動きに制限があったのに対して、ダヴィンチでは鉗子の先を自由に動かすことができることによって、繊細な作業をしやすくなっていることがわかりました。また他にも操作中に見える画像が3次元立体画像になっていることによって奥行きを感じることができ、それもまた操作しやすい要因なのかなと思いました。
これから医療ロボットが普及していく中で今回ダヴィンチに触れる機会が得られたのは本当に貴重なことだなと思いました。最後に、今回の研修会を開いていただいた先生方、事務の方々本当にありがとうございました。この経験をこれからに活かしていきたいと思います。

医学部1年生 車野 真

今回のda Vinci体験で一番興味深かったことは腹腔鏡とda Vinciの違いです。腹腔鏡は距離感がつかめず初めて使ったときは縫合することができませんでしたが、da Vinciは人の手首の動きも機械にそのまま伝わり、自分1人でカメラまで動かせ3Dで確認することができるので、腹腔鏡と比較してとても使いやすかったです。また手の震えが伝わることなく操作するが可能なので、手術中に意図せず組織を傷つけ患者さんに余計な負担をかけたりする心配も回避できる利点も備えています。
費用の面は否めませんが、腹腔鏡は腹部のみ、da Vinciは全身を手術することができるので、未来の医療の発展をかなり期待できるであろうと思いました。
最後になりましたが、このような貴重な体験をさせていただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

医学部1年生 樋口 華子

初めに、今回このような体験の機会を与えてくださった大学と、私たちにご丁寧に教えてくださった先生方に深く感謝申し上げます。今回の体験会ではロボット操作の基本、そして結紮を教えていただきました。私が一番に驚いたことはロボットのアームが想像以上に滑らかに、そして先端に関節があることで繊細な動きをしていたことです。それらが手術自体の安全性・正確性向上、患者さんの手術後のQOL上昇にも繋がっていることを実感しました。一方で、da Vinci手術は操作者の技術レベルによって大きく左右されることもわかりました。どこにカメラを置くのか、どうすればスムーズに次の作業に繋げられるのかは操作者自身が判断しなければなりません。また、ロボット操作ではどれぐらいの力で組織を圧しているのかがわかりません。練習中、右のアームに気を取られて左のアームが組織に食い込んでしまうことがありました。それは予想外の出血を招いたり、組織を傷つけてしまうことにもなりかねません。どこから臓器を見るとこの画像が得られるのかも考えながら、今後の勉学も励んでいきたいと思います。

医学部2年生 中田 優紀

今回の体験会で、da Vinciが手の震えを修正しながら、細かい動作を滑らかに正確に行えることを体感することができ、da Vinciの技術力の高さを知ることができました。しかし、触覚がないため、縫合をする際に見た目の変化から力加減を調節しなければならないなど、難しい点も多くありました。他にも、3Dの画面では、アームが画面に映りこむと視覚的な情報が多くなるため、アームのつかむ角度によって、同じ動作でも、視界がアームでふさがれたり、開けて見やすくなったりしました。このことから、より安全に手術を行うためには、一つひとつの単純な動作にも気を付けていかなければならないのだと分かりました。また、体験会の間に先生から外科医についてのお話をうかがい、ステレオタイプにとらわれず、女性でも外科医として活躍できるのだと知り、安心しました。今回の体験会で得た経験を活かして、これからも勉学に励んでいきたいと思います。
最後になりましたが、今回の体験会を運営してくださった先生方、事務の方々に感謝致します。

医学部2年生 上村 初菜

この研修会を受講する以前から、ニュースなどで医療ロボットという言葉は聞いたことがありました。個人的なイメージとしては『使いこなすのが難しいのではないか』・『動かすのは医師とはいえロボットで手術されるのは怖い』という漠然なイメージがありました。しかし、この研修会に参加して実際に動かしてみることでそのイメージは誤りだったということに気づかされました。個人的にもモニターを通して折り紙を使って鶴を折ったりしたことがありましたが、その時と比べものにならないぐらいモニターを通して空間を認識することにストレスがなく、また手の細かい震えを伝えることなくスムーズに手の動きに持針器・鑷子が連動していくことにただ驚かされるばかりでした。そのためこれからの外科治療の未来は非常に明るいと未熟な学生ながら強く思うことができると同時に、患者に対する責任感は変わらない(むしろ上がる)と感じました。また、医療ロボットで今まで技術的には行うことが困難だった様々なことができるぶん、多くの知識の理解が必要になるとも感じたので、現在学習している臨床系の座学に加えて過去に学習した解剖学なども責任を持って学習し直そうと思わずにはいられませんでした。

医学部3年生 塚田 泰成

今回da Vinci体験会に参加して、最先端のロボットを操作する機会をいただき、また臨床で働く先生方に教わる機会をいただきとてもいい経験になりました。da Vinciを操作して最初はぎこちなく不安定でしたが、慣れてくるとスムーズに操作でき、ゲーム感覚で楽しむことができました。3Dカメラやズーム機能で位置関係を把握しつつ、関節の緻密な動きを表現できるだけでなく、緊張からくる手の震えを伝えないためのフィルター機能、力を入れ過ぎた時にロックがかかる機能など人間の癖もカバーできることに驚きました。従来の手術より繊細で安全性、正確性が高く、患者の負担を抑えることができるda Vinciは、ますますニーズが高まり、対応できる術者もより必要になっていくと思われます。医療用ロボットなど医療技術は進化していきますが、操作等の技術や知識にとって代わるものはないと先生方も仰っていたので、医療の進化に対応できる技術と知識を積極的に習得していこうと思います。
先生方、スタッフの方々、このような貴重な機会を頂き本当にありがとうございました。

医学部3年生 大田 実穂