医学部生対象「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を開催

お知らせ

2022年7月2日(土)、医学部4~5年生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が行われました。

事前申し込みのあった4名の医学部生が参加し、李 相雄 教授(一般・消化器外科学教室)の指導のもと、シースパイク、リングコースター、縫合・結紮練習などのプログラムが行われました。特に結紮は難しかったようですが「もう少しやりたい」とリクエストが出ていました。

参加学生は、最新医療機器に触れることができる研修を心待ちにしていたこともあり、各プログラムに真剣に、且つとても楽しそうに取り組んでいました。

手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台を用いた、医学部生を対象とした研修は、充実した医療環境を整える大阪医科薬科大学病院、並びに教育環境を整える大阪医科薬科大学医学部だからこそ実現できるものです。今後、1~3年生にも研修会が行われる予定です。

参加した学生のコメント

本日は貴重な体験をさせていただきありがとうございました。現在自分は何科を志望するか全く決まってません。入学当初は麻酔科志望でしたが学年を経て学ぶにつれ自分が本当に何に興味があるかわからなくなってきました。そんな中でとりあえず機会がかあるからと申し込んでみたのがこの体験会でした。ニュースや番組では医療技術の進歩の一例としてよく取り上げられるda Vinciですが実際触れてみて、こんなにも細かいところやの手術をできるのかと改めておどろきました。一緒に触らせていただいた腹腔鏡の手技と比べ圧倒的に空間認識がしやすく、今まで実感が湧きませんでしたがこれはまさに手術の技術的な進歩、進化であると感じました。才能ではなく経験や人の技術を見て学んで盗むと言った地道なことがこういう手技では大事だと言うことでコツコツしたことが好きな自分にとって外科の道も将来の展望として良いなと思いました。

医学部4年生 古谷 壮一朗

今回の体験会は案内された当初から参加させて頂きたいと思っていました。暇な時間の多い4回生のうちに新しい機器に触れることによって将来のイメージを描きやすくなり、モチベーションに繋がると思ったからです。
実際にda Vinci を触って見て、最初は操作方法が分からずに戸惑いましたが、慣れていくと初めて触る僕ですらかなり思い通りに動かすことができました。行ったことはゴムリングをレールに沿って移動させるという単純な動作でした。しかし実際にロボットを操作すると、平面的な動きは簡単でしたが、奥行きが加わり立体的な動きが求められると、かなり難易度が上がりました。ロボットのアームにも僕の手首にも可動域には限界があるのですが、その限界は必ずしも一致しないのでもどかしく感じることが度々ありました。
ただ、腹腔鏡手術よりは映像を立体的に捉えることができる分、楽に手を動かせました。

医学部4年生 角谷 佳則

外科の実習ではよく見るda Vinciでしたが、初めて実際に触らせていただきました。印象に残ったのは、直感的な操作ができることです。手首を動かせば、同じようにロボットアームの先端がくるくると動き、指先を動かせば先端の鉗子が動きます。覗き込んだ視界は3Dで、タイムラグもほとんどありません。細かな作業が想像以上に容易にできることに、とても驚かされました。直接鑷子や鉗子を使って結紮するのとなんら変わりなく操作することができ、手ブレが補正されている分、繊細な操作が可能でした。
反対に、操作する上で難しかった点は触覚がないことです。思ったよりも力がかかってしまってるときも多く、不意に臓器を傷つけてしまうのではという怖さを感じました。どの程度の力で押すと、どの程度の負荷がかかるのかを分かるまでにはかなり時間がかかりそうです。また、3Dの視野と言えど、肉眼でみえているものとは少し違います。da Vinciに合わせた視野を持てるまでには慣れが必要だと思いました。
今回の経験は私にとって外科への興味をさらに高めてくれるものになりました。このような機会を設けてくださったすべての皆様に感謝いたします。

医学部5年生 藤田 燦

この度、ロボット支援下手術の代表格であるda Vinciの研修機会を作っていただきありがとうございました。外科の実習で1度操作をさせていただいたことがありましたが、1分程度で軽く鉗子を操作する程度でありました。今回の研修ではリングコースター、縫合実習、結紮などの実技を充分に学べました。その中で特に感じたのは、腹腔鏡下手術と比較した際のda Vinci手術の優秀さです。腹腔鏡下手術は2次元の映像を見ながら、鉗子を操作しますが、da Vinciは人間の手首と同等以上の可動域を有するアームによって鉗子を操作します。また、映像が3次元で出されることで、距離感が掴み易く体内の細かな器官を傷つけずに手術を遂行できるため、非常に優れていると感じました。
しかし、いくらロボットが優秀であっても手術は術者次第であることに他ならないとも感じました。ロボットアームには触覚が無いため、知らないうちに組織を圧迫してしまうこともあれば、鉗子の掴む力が強いので、誤って組織を掴んでしまうと挫滅させてしまうこともありました。これは時間を要して操作に慣れることが重要であると思いました。
今回の研修でda Vinciの長所や短所を学べたので今後の学習に活かせればと思います。最後に、このような貴重な学びの機会をいただき感謝申し上げます。

医学部5年生 松本 光司