医学部生対象「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を開催

お知らせ

2022年1月15日(土)、医学部1~3年生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が行われました。

事前に抽選で選ばれた5名の医学部生が参加し、李 相雄 講師(一般・消化器外科学教室)の指導のもと、シースパイク、リングコースター、縫合練習などのプログラムが行われました。

参加学生は、新型コロナウイルス感染症の影響でこれまで実習による中央手術棟への入館が制限されていたことから、最新医療機器に触れることができる研修を心待ちにしていたこともあり、各プログラムに真剣に、且つとても楽しそうに取り組んでいました。

手術支援ロボット「ダヴィンチ」2台を用いた、医学部生を対象とした研修は、充実した医療環境を整える大阪医科薬科大学病院、並びに教育環境を整える大阪医科薬科大学医学部だからこそ実現できるものです。今後、4~5年生にも研修会が行われる予定です。

参加した学生のコメント

私が今回の研修会に参加させていただいて感じたことは「使いやすさ」です。私はこの研修会に参加するまでに手術用の縫合をやったことがなく、da Vinciを用いた縫合が初めての縫合でした。私は縫合することはできましたが手際も悪く、何度も糸を切ってしまいました。しかし、その後に通常の腹腔鏡手術の道具で同じことを行った際に違いがよくわかりました。
具体的には、二人一組なのでアームが見つからない、カメラが3Dでないためアームとの距離感がつかめない、アームに関節が無いため思うように動かない、ということがあり私は正しく針を持つことさえ出来ませんでした。同時に、da Vinciを使うための基礎訓練としてこの経験を積むことでda Vinciでの操作もよりスムーズに行えるとも感じました。また、da Vinciは通常の腹腔鏡の機材と違い、より自由度の高く細かな動作が出来るのでより体の内側にある患部の手術にも利用できると考えます。
最後に、今回の体験(研修)会を企画してくださった先生方、事務の方々ありがとうございました。
医学部1年生 庄田 英弘


体験会では実際に機械を操作しながら行われ、和気あいあいとした雰囲気を先生が作ってくださったため、終始楽しみながら体験できました。手術支援ロボットには多くの長所があります。例えば、関節があるため、普通では手の届きにくいところでの結紮などを容易にします。他にも、腹腔鏡とは違ってカメラを自分で見たいように動かせる上に画像が3次元で表示されるため、手術がしやすくなり、手術時間の短縮や安全性・正確性の向上に繋がります。一方で、ロボットを使うと、操作している人には感覚、特に触覚がないため、気付かない内に組織を押すなどして傷つけてしまうことがあります。実際、自分で操作している時にも本物の組織であれば確実に傷つけてしまっていただろうという場面が数多くありました。そのため、目触覚が重要となっています。 今回の研修でda Vinciの長所や短所を学べたので今後の学習に活かせればと思います。
最後になりましたがこのような貴重な学びの機会を設けてくださった全ての方に感謝いたします。
医学部2年生 清水 絵礼奈


da Vinciを実際に体験し、手術用ロボットは今後手術を行う病院にとって重要になってくると感じた。da Vinciとこれまでの腹腔鏡手術を比較すると以下のことが分かった。これまでの腹腔鏡手術では手術をするスタッフのカメラや術具の操作に対して肉体的な疲労感が多く、また、挿入する術具の先端が回らないことから繊細な操作を行うことが難しかったが、da Vinciでは執刀医は座って操作する上、カメラの操作に関してもロボット越しに行うため肉体的疲労が少なく、また、挿入した術具を自分の指先のように自由に動かすことができるため、より繊細な動きができた。このことからda Vinciを導入している病院としていない病院とではより肉体的疲労の少ない手術を行うことができるda Vinciを導入している病院に対して優秀なスタッフが集まるのではないかと感じた。
それだけでなく、より繊細な動きができることで手術の中で患者が傷をつけられてしまう神経や組織の量が減り、患者の術後のQOLが上昇すると考えられる。このことからda Vinciなどの手術用ロボットは今後手術を多く行っていく病院にとって必要になってくると思う。
次に、僕は今回の実習においてこれまでの腹腔鏡手術を体験したが、上手く操作することができなかった。僕が医師になるころにはまだまだ従来の腹腔鏡手術が主流であると考えられるので、外科医として活躍するには従来の腹腔鏡手術を行える必要がある。なので僕は将来医師になる医学生として知識だけでなく、技術面においても磨いていく必要があると感じた。
医学部2年生 髙濱 雅


この度は医療ロボット「da Vinci」新規導入にあたり、学生ながら「da Vinci」に触れる貴重な機会を作っていただきありがとうございます。蜘蛛のようなペイシェントカートから非常に精密な動きを繰り広げる「da Vinci」というロボットは、上手く操作するには熟練の技のいる腹腔鏡手術に取って代わる画期的なものだと感じました。
初めて操作する今回の体験者にも、直感的に関節やカメラを操作することができました。もちろん初めはなかなか思ったようには動かすことができなかったですが、5分操作するだけで難なく課題をこなしていくことができました。操作していくうちに鮮明な3Dカメラや手ブレしないアームが高繊細な作業を可能にしているのだと実感しました。
低侵襲な医療を目指して「da Vinci」がもっと広く普及し、自分自身も「da Vinci」のような安全性の高い医療を提供できる医師を目指したいと思いました。
医学部3年生 神原 宗一郎


私がこの講習会に参加して学んだことは、大きく分けて二つある。一つ目は術者がどのような状況であるのかを学べたことである。実際に手術に用いられている機械を体験できたことで、術中はどのような視点、感覚であるかが十分に理解できた。二つ目はda Vinciの利点が目に見えて理解できたことである。アームが自在に動き、カメラが固定されている上に3D画像で奥行きが理解しやすいda Vinciに対し、通常の腹腔鏡は人がカメラを持つため視点が動き、映像も平面的であるため、奥行きが理解しにくかった。
三回生になり、臨床的な事項を学んでいるタイミングでこの講習に参加できたことは、講義で学んだ知識を深める手助けになったように感じる。この講習会で得た経験を生かして、より一層勉学に励みたい。
医学部3年生 森本 拓磨