既存のパーキンソン病症状改善薬にパーキンソン病の進行抑制につながる作用を発見

研究

大阪医科薬科大学 医学部 内科学Ⅳ教室 脳神経内科の中村善胤大学院生・荒若繁樹教授、山形大学医学部第3内科の佐藤裕康助教・加藤丈夫名誉教授、エフピー株式会社研究部(本社:大阪府)からなる共同研究グループは、既存のモノアミンオキシダーゼ-B 阻害薬に、パーキンソン病の原因となるαシヌクレインタンパク質を細胞外に排出する作用があることを発見しました。パーキンソン病の根本的な進行抑制治療に向けた応用が期待されます。

本研究内容は、北米神経科学学会の公式学会誌であるJournal of Neuroscience において、9 月1 日発刊号に掲載されました。

新規薬剤の開発には、効果と安全性の検証に多大な労力・費用・時間を必要とします。既存薬は安全性が確立しているという大きなメリットがあります。また、パーキンソン病は症状が出現する前より、神経細胞内にαシヌクレインが蓄積することがわかっています。より早期にモノアミンオキシダーゼ-B 阻害薬を投与することで、神経細胞内からαシヌクレインの排出を促して、パーキンソン病の進行を抑制する可能性が考えられます。日常臨床で使用されている薬剤によるパーキンソン病の根本的治療として、迅速な臨床への応用が期待されます。

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