日本医事新報社のデジタルサイト、Web医事新報【識者の眼】に、医学部 一般・消化器外科学教室の河野 恵美子 助教の連載コラムが掲載されました。
2026年3月11日(水) 「トイレ設計からジェンダーの『公平』を考える」
社会的関心を集め政策にも影響を与えているトイレ設計における問題から、形式的な「平等」と実質的な「公平」について考察しています。河野先生は「ジェンダーをめぐる議論は、女性の不利益是正を起点に展開されてきたが、男性の抱える課題は相対的に可視化されにくいという側面がある」と述べ、単一の視点にとどまらず多用な立場と利用実態をふまえた検討の重要性について論じています。
2026年2月12日(木) 「The personal is political─個人の困難が浮き彫りにする社会の歪み」
政治家の引退という具体的事例を通じ、「育児・介護とキャリアの両立」という個人の問題に見える出来事の背後にある社会構造を問い直す論考です。河野先生は、政治と外科医療に共通する「家庭責任を外部化できる者のみが意思決定に関わり続ける構造」に光を当て、制度と社会の前提そのものを再考する必要性を指摘しています。
2026年1月21日(水) 「『キャリア3.0時代』における自律的キャリアデザイン:多様な選択肢と評価の変革」
外科医のはしご型・ピラミッド型キャリア構造を踏まえつつ、「キャリア3.0(自律的にキャリアを築く新しい働き方)」の時代へと社会が舵を切りつつあるいま、専門医取得や業績評価に加え、地域医療への貢献、医療政策への関与、次世代育成、多様性推進といった「見えにくい価値」を正当に評価する仕組みの必要性を述べておられます。
2025年12月3日(水) 「キャリア継続か出産か:見えにくいペナルティが静かに諦めさせる構造」
女性医師にとって出産・育児とキャリアの両立は、制度や家族の支援があってもなお簡単ではないと指摘されています。特に共働きの医師世帯では、長時間労働と性別役割の固定といった構造的・文化的障壁が出産・育児のブレーキとなっており、こうした障壁が残る限り、多くの女性が静かにキャリアを諦めることになると述べておられます。
2025年11月5日(水) 「2040年に外科医5000人不足─女性が握る持続可能性の鍵」
「外科医不足がせまる今こそ、女性の能力を十分に活かす体制を築くことが、外科医療の持続可能性に直結する。そのためには、長らく見えないまま存在してきた数々のバリアを、1つずつ取り除いていくことが不可欠である」と述べておられます。
2025年10月7日(火) 「外科の未来に向けて-ハラスメント根絶宣言」
「外科医の確保が危機的な状況にある現在、持続可能な診療体制を構築するには、若手が安心して学び長く活躍することができる環境整備が不可欠である。ハラスメントの根絶は、そのための最も本質的な基盤のひとつにほかならない」と述べておられます。
2025年8月27日(金) 「『外科医ゼロ』警鐘から約20年─ようやく政策の土俵に上がった外科医不足対策」
「外科医不足は、いまや現場の献身や工夫だけでは打開できない構造的な課題である。すべてのステークホルダーが一丸となって、これを確かな制度へと育て、10年先、20年先も国民が安心して外科診療を受けることができる体制へと結実させていくことを切に願う」と述べておられます。
2025年8月1日(金) 「主治医制の限界とチーム医療のすすめ─『24時間外科医』という価値観を手放すとき」
「若者の外科医離れが加速している今こそ、時代に合った柔軟な働き方を取り入れていかなければ、外科は衰退の道を避けられない。個人の献身に依存するのではなく、誰もが力を発揮できる仕組みを現場からつくり直す必要がある。」と述べておられます。
2025年7月3日(木) 「医師の働き方改革:医学教育における変革の波」
「働き方改革が進み、ワークライフバランスの重要性が強調される一方で、医師としての本質を守り、患者との信頼関係を築く倫理観をどう維持するかは、これまで以上に問われることになる。」と述べておられます。
2025年6月2日(月) 「『女性医師の手術は不安』〜“なんとなく”で語っていませんか?」
「女性医師による手術に対する不安や不信感は、客観的なデータではなく、先入観や思い込みに大きく左右されているのではないだろうか。ジェンダー研究の結果が、こうした偏見を払拭し、患者の不安を和らげる一助となることを願う」と述べておられます。
2025年4月30日(水) 「手術機器開発の新たな視点〜ジェンダード・イノベーションが切り拓く未来」
「今後、手術機器開発の分野でもGI(ジェンダード・イノベーション)の概念が広く浸透し、多様性を重視した技術革新が加速することで、手術の質と安全性の向上が期待される」と述べておられます。
2025年3月25日(火) 「Z世代の選択が浮き彫りにする医療制度の影〜抜本改革への呼びかけ」
「持続可能な医療を実現するためには、現場の医師が声を上げ、政治家や国民とともに社会全体で議論を深めることが必要なのではないか」と述べておられます。
2025年2月19日(水) 「男性育休を導入してみませんか〜次世代の働き方改革」
「人手不足が深刻化している外科医療の未来を守るために、働き方や価値観の変化を受け入れ、次世代の医師たちが安心して活躍できる場をつくる必要がある」と述べておられます。
2025年1月10日(金) 「令和時代の学会運営〜DE&I(Diversity,Equity&Inclusion)の視点から」
「組織の意思決定層を特定の属性の人で占めるのではなく、若手や女性など、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に登用することで、より幅広い視点から物事を考え、組織を活性化させることができる」と述べておられます。
※ 月1回の連載予定です。