医学部生対象に「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」を開催

教育

2025年11月15日(土)、医学部生を対象とした「手術支援ロボット(da Vinci Xi Surgical System)研修会」が開催されました。

本研修会は、医学部第1~4学年までの5名の学生が参加し、内視鏡外科教育研修室の佐藤澄室長の指導のもと、最新の医療技術に触れる貴重な機会となりました。学生たちは、シースパイク、リングコースター、縫合練習といったプログラムに取り組み、初めて操作する最新鋭の手術支援ロボットに最初は戸惑いを見せながらも、その操作に慣れようと真剣に取り組みました。特に、リングコースターを用いたチーム対抗リレーでは、大いに盛り上がりました。
手術支援ロボット「ダヴィンチ」を2台使用し、医学部生が実践的なトレーニングを行える環境は、高度な医療環境を整備している大阪医科薬科大学病院と、それを支える教育体制を持つ大阪医科薬科大学医学部の連携があってこそ実現できるものです。

本研修会は、将来の医療を担う学生にとって、先進的な手術技術を肌で感じ、医師としてのキャリアを具体的に考える上で、極めて有意義な時間となりました。

参加した学生のコメント

医学部4年 若林 百惠

最先端の医療機器であるダヴィンチ(da Vinci)を、学生のうちから触れさせていただける貴重な機会だと思い、参加させていただきました。体験会で最も衝撃を受けたのは、ダヴィンチの動きの滑らかさと正確性です。想像をはるかに超える繊細な動きに驚愕しました。
実際にコンソールを操作し、ロボットアームが自分の手の動きと完全に連動する様子は圧巻でした。手首や指先の複雑な動きをどの角度に動かしてもブレがなく、ミリ単位で制御できることに驚きました。その後の縫合シミュレーションでは、ダヴィンチの驚異的な正確性とともに、自分自身の技術の未熟さも痛感しました。
この最先端の技術を患者さんへ適切に届けるためには、これを使いこなす医師としての確かな知識と技術の鍛錬が不可欠だと改めて痛感し、今後の学習に向けた良いきっかけとなりました。
最後になりましたが、この度はこのような貴重な機会をいただきありがとうございました。

医学部3年 中東 純一

患者さんに直接触れず、医師が患部の立体画像を見ながら遠隔操作でアームを動かす、ハイテク技術を駆使した画期的な手術法であるda Vinciを外から眺めるのではなく、実際に自分の手で体験でき、また、自分が現時点で進路として外科に興味があるので、今回の研修会に応募しました。研修会は、da VinciのメーカーであるIntuitiveの担当の方からda Vinciについての簡単な操作方法や特徴的な機能を説明してもらい、それから学生が交代制で担当の先生のアドバイスを受けながら練習するという流れで行いました。実際に自分の手で体験してみて凄さを実感した機能が2つあり、フィルター機能(手ぶれ補正)とモーションスケールで、前者は手先の震えが鉗子の先に伝わらないように手ぶれを補正する機能、後者は動かした手の幅を縮小して伝えるものです。どちらも細かな作業を補助してくれる機能で、手術支援ロボットというda Vinciの名前通りの役割を担ってくれています。説明だけ聞けばそうなんだで終わるところを、これらの機能を実際に自分の手で体験出来ただけでもこの研修会に参加した意味があったと思っています。

医学部3年 坂口 元

今回のda Vinci研修会で最も印象に残ったのは、その操作のしやすさでした。モニターや肘置きの位置を細かく調整でき、術者が座ったまま手術を行える点は身体的負担を大きく軽減し、手技に集中できると感じました。また、術者がモニターから顔を離すと鉗子の動きが固定される安全機能からは、医療事故を未然に防ぐための工夫が徹底されていることを実感しました。
実際の操作では、手の動きが正確に反映される感覚があり、余分な力を必要としないうえ、手振れ補正が強力で、初学者やベテラン術者のなかでも体力面に不安を感じ始めておられる方にも扱いやすいシステムだと思いました。さらに、臨床で活躍されている外科の先生方から、da Vinciの特徴だけでなく実臨床や将来についてもお話を伺えたことは、大変貴重な経験となりました。今回、このような機会をいただき、誠にありがとうございました。

医学部1年 大谷 蓮華

今まで存在をぼんやりとしか知らなかったda Vinchiというロボットを医学部に入ったからにはこの目で見てみたいと思い、この体験会に参加しました。アームの動く支点を宙にすることで傷口に擦らない様になっているなど、患者さんの身体への負担が少しでも減るための工夫も多くなされていました。また、医師側も無理のない姿勢で操作することができるように作られていました。輪を突起に引っ掛けたり、そこから外したりと1度操作をさせて頂いてからそのセットを直接見たところ、自身が画面を通して操作していたものの小ささに驚きました。その動きの繊細さから身体の小さな子供の治療など患者さんにとっての可能性も広がるのではないかと思います。また、練習さえすればある程度の操作の実力を身に着けることができるとのことでしたので、da Vinchiは医師にとっての可能性も広げてくれるように感じました。
まだ実習も少ない1年生の段階での参加に少々躊躇いもありましたが、早くにda Vinchiに触れられたことは将来への意識を高め、今後の勉学への励みとなりました。ありがとうございました。

医学部1年 飯田 晄太郎

今回のda Vinci研修会では、実際に機器を触ってみることで、ロボット支援手術がどのように行われているのかを具体的にイメージできるようになった。特に驚いたのは、鉗子が思っていたよりもかなり小さく、細かい作業がとてもやりやすかったことです。自分の手の動きがスムーズに反映され、普段の手作業よりもむしろ正確に動かせるような感覚がありました。一方で、モニター越しで操作するため、距離感をつかむのが意外と難しかった。掴むものとの距離がどれくらいあるのかを判断するのに少し戸惑い、慎重に動かす必要があると感じました。また、慣れていないうちは大きく動かしすぎてしまいそうになる点も課題だと思いました。今回の研修を通して、ロボット支援手術は便利な面だけでなく、安全に扱うための訓練や経験が欠かせないことを改めて実感した。今後もこうした機会を通じて、基本的な操作感覚を身につけていきたいと思います。