教育研究コース

1.看護教育学分野

教育・実践領域において系統的な教育活動を展開するために必要な基礎的知識・技術について学びを深めます。そして、これまでの教育実践に関わる経験や文献検討を通して看護学教育に共通して存在する諸現象に関する課題、および看護学生を含む看護専門職者のキャリア開発に関する課題を探究します。

2.看護技術開発看護学分野

この分野では、今ある看護技術のエビデンスの構築や、看護技術の発展のための新たな方法や看護用具の開発などを目指しています。そのために、現状の問題やその背景を理解するための調査や、人々の健康と生活の質向上に向けて看護技術を発展させていくための評価・実験など、さまざまな方法を用いて課題を探求します。

3.人文社会学分野

人文社会学の諸分野はさまざまな仕方で看護学と関連していますが、特に教員の専門は哲学・倫理学です。現象学的方法を含む質的方法による看護研究、看護倫理・医療倫理の諸問題に関する研究など、文献の精読とその批判的検討によって培われる人文社会学的な思考法や知識をベースとして、看護およびその関連領域の研究を行います。

4.移植・再生医療看護学分野

移植・再生医療看護学領域は日本で唯一の移植看護と再生医療看護を標榜しています。末期ステージにある患者の残された治療法として移植医療そして再生医療が日進月歩で発展してきています。それに伴い倫理的課題,慢性移植病ともいえる自己管理問題,さらには生存率の向上による高齢化の問題など様々な課題・問題が取り巻いています。また,リンパ浮腫を持つ患者のQOLを向上させるための取り組みも行っています。当領域はこのように臨床に還元できる看護研究を行っています。

5.がん看護学分野

この分野では、がん医療の動向やがん看護および緩和ケアに必要な概念・理論、がんの診断期、治療期、進行・再発期、終末期の各期における効果的な援助方法についての学びを深める。また、自らの臨床経験や国内外の文献レビューを踏まえて、がん看護や緩和ケアの領域において取り組むべき研究課題を見出し、さまざまな研究手法を用いて看護現象の構造や看護介入法に関する課題を探求する。

6.慢性看護学分野

本分野では、健康の増進、慢性病の予防から慢性病が個人・家族の健康や生活に及ぼす影響・特徴とそれに対する人々の反応・療養行動の特性を理解し、慢性病をもちながら質の高い生活を送るとはどのようなことかを探求していきたいと思います。さらに超高齢化とともにますます複雑化している健康課題を踏まえて、将来を見据え、慢性病をもつ人々とその家族、社会にも貢献できる研究課題に取り組んでいきたいと思います。

7.精神看護学分野

精神保健医療福祉の新しい動向に常に留意しつつ、患者の統合的な理解に基づいた看護援助の方法を検討します。全人的な視点を基盤にして看護実践を深め、精神看護の発展に寄与し得る研究力・教育力の育成を目指します。

8.老年看護学分野

「老年期を生きる人」の価値観や信念を尊重した看護を実現するために、エビデンスに基づいた高齢者ケアのための理論的基盤を養います。また、喫緊の課題である超高齢社会に適合した制度やシステム、終末期の高齢者意思決定支援などについて、ディスカッションや発表を中心とした講義を行い、その課題と対策を探求します。さらに最重要課題である「認知症看護」について最新のエビデンスを学び、認知症高齢者とその家族への理解を深めます。

9.臨床医学分野

質の高い看護を提供するにはそれぞれの疾患の病態や症状の原因、そして治療薬の使われ方や手術方法と後療法などを理解しておくことが必須です。医系の教員の視点から様々な内科系および外科系疾患の病態生理やマネージメントを学び、 診断から治療に至る流れの理解を深めます。その中で看護の視点から現状の問題点や改善点を見つけ出し、それらを研究課題として取り組むことでさらに医療の質を向上させることを目指しています。

10.母性看護学分野

『教育研究コース・母性看護学分野』では、母子と父親、取り巻く家族および女性の一生を通した看護実践に、理論的根拠や最新エビデンスを活用し、看護活動を創意工夫し変革できる研究能力を修得します。講義は、本学教員に加え、専門看護師、認定看護師、産婦人科・新生児科医師、遺伝カウンセリングの専門家、経験豊富な臨床の看護管理者、など魅力的な講師が担当します。修士論文では、学生自ら見出した課題を大切にし取り組み、看護実践の発展に寄与できる知見を修士論文としてまとめます。ぜひ本学で私たちと一緒に学んでみませんか。

11.小児看護学分野

成長発達とセルフケア理論を基盤に小児の健康課題について広く知識を得て、小児とそれを取り巻く状況に潜む健康問題や看護の課題を探求し、研究に結びつける能力を修得します。
子どもや家族が置かれる現状を改善改革のできる人材として、社会に貢献していくことを目指しています。

12.地域看護学分野

地域看護学領域では、地域で生活している人々や労働者集団等を対象として、ヘルスプロモーションの視点から健康課題と支援方法を探求しています。多職種との連携協働や地域包括ケアシステムの活用と開発等の多様な手法を学び、あらゆる健康レベルにおける予防的視点を重視した能力と地域の住民の健康やQOLの向上を目指した研究能力を培います。

13.在宅看護学分野

国内外の在宅看護の現状を理解し、在宅療養者とその家族のQOLの向上をめざし、地域での生活を支える看護実践プログラムや家族支援プログラム、在宅ケアシステムの構築等、在宅看護の発展に寄与する知見を探求します。
博士前期課程では、在宅看護に関連する文献検討や討議をとおして臨床での疑問や研究課題を明確化し、研究計画にもとづいた一連の研究プロセスをとおして、基礎的な研究能力の修得をめざします。

14.社会医学分野

看護職の観点から労働者の健康管理と快適で安全な職場環境の構築に貢献できる研究を行います。具体的には生活習慣病、メンタルヘルス、過重労働、労働災害等の現況においてニーズの高い研究課題に焦点をあて、検討できる研究能力を養成することを目指します。