慢性看護学

教授 飛田 伊都子

慢性看護学領域においては、慢性疾患が有する複雑な課題、ならびにそれに内在する社会的・文化的・心理的背景の理解を基盤とし、看護理論および関連領域の研究知見を批判的に活用することで、課題の構造的把握と解決に向けた実践的アプローチを探究します。これに伴い、身体的・心理的・社会的側面を統合的に捉える包括的アセスメント能力の涵養を図るとともに、患者個別性に応じた効果的な支援のための教授法・教育技法、認知行動療法を含む心理・行動的介入技術、ならびにそれらの実践的評価手法について理論と実践の両面から学修します。さらに、医療・福祉制度や地域支援体制をめぐる政策的・制度的枠組みにも批判的視座を持ち、学際的・多職種連携的な視野のもとで、慢性疾患をもつ人々のQOL向上に資する看護実践と研究の深化を目指します。

現在取り組んでいる研究テーマ

・慢性心不全患者におけるセルフケア支援に関する研究
・レスパイトケアを利用する医療的ケア児の家族介護者に焦点を当てた研究

修了生の研究テーマ

・ビンカアルカロイドを投与された患者の末梢神経障害に着目した研究
・在日中国人看護師における異文化適応の対処に関する研究