がん看護学領域
療養生活支援看護学 がん看護学へようこそ!
がん看護学では、臨床や教育に還元できる看護研究をめざして、臨床知とこれまで集積されてきたエビデンスを統合し、がん看護・緩和ケアに関連する概念や看護現象の構造の明確化、看護現象の理論構築、看護ケアの評価方法の開発、看護ケア方法の開発を推進する教育研究者や、複雑な健康課題をもったがん患者や家族に卓越したケアを提供できる高度実践看護師の育成を目指しています。
主な研究テーマは、がんの診断期、治療期、進行・再発期、終末期に置かれている患者および家族が体験する全人的苦痛や、社会でがんと共にいきる上で直面する課題に対応できる看護ケアの創出を探求しています。
がん看護学の博士前期課程、博士後期課程においては、臨床に根ざした研究やがん看護実践の向上をめざしている大学院生を募集しています。
鈴木 久美 教授
現在取り組んでいる研究テーマ
【がん啓発教育に関する研究と実践】
乳がん体験者との協働により成人女性および助産師を対象とした乳がん啓発教育プログラム開発と評価に関する研究(科学研究費補助金「基盤研究B」の助成:平成18年4月~平成24年3月)に取り組み、この研究成果を基盤に成人女性の乳房セルフケアプログラムを乳がん体験者と実践しています。
【がん患者の診断・治療期の看護介入に関する研究】
BNCTを受ける再発頭頸部がん患者を対象に、QOLを保つ包括的援助モデルの構築に関する研究に取り組んでいります。また、乳がん患者を対象に診断・治療期における心理教育的看護介入プログラム開発と評価に関する研究に取り組んでいました。がん患者を対象としたサポートグループに関する研究や実践にも取り組んでいます。
【女性がん患者の妊孕性温存に関する研究】
「女性がん患者の妊孕性温存に対する選択を支える看護教育プログラムの開発」という研究課題で研究分担者として(科学研究費補助金「基盤研究B」の助成:平成23年4月~平成26年3月まで)研究に取り組んでいます。
南口 陽子 准教授
現在取り組んでいる研究テーマ
がん患者さんとご家族への意思決定支援に関する研究、がんそのものや治療に伴う症状マネジメントに関する研究、看護介入のあり方を探求する研究などに取り組んでいます。
現在進めている課題は、「進行がん高齢患者の最期を迎える場に対する意思決定支援モデルの導入による効果の検証」です。がん医療の飛躍的な進歩や療養する場の広がりに伴い、治療や療養の場の選択肢が多様化、複雑化する中で、患者さんとご家族が互いに納得して意思決定できるような支援のあり方を探究しています。
そして、研究課題「がん薬物療法を受けている患者のスティグマとレジリエンス、QOL」では、患者さんのスティグマ(差別や偏見など)とレジリエンス(回復力やしなやかさ)、QOL(生活の質)との関係の明確化やスティグマに対する心理社会的な介入を検討しています。また、分担研究者として「ホウ素中性子捕捉療法を受ける再発頭頸部がん患者のQOLを保つ包括的援助モデル構築」に取り組んでいます。
がん看護学ゼミのメンバー

博士前期課程・後期課程の在学生および修了生が定期的に集い、研究や臨床現場での実践に関するディスカッションをして、切磋琢磨しています。ときにはみんなで美味しい食事を楽しみながら、話しに花を咲かせています。

学会への参加/2017 AONS(Asian Oncology Nursing Society)北京/中国
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学会への参加/2018 ICCN(International Conference on Cancer Nursing)
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オークランド/ニュージーランド
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学会への参加/2019 4th AONS(Asian Oncology Nursing Society)conference
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ムンバイ/インド
修了生と研究論文
修了年度 | 名前 | コース名 | 論文タイトル |
2015 | 内藤 加奈子 | 教育研究コース | 進行膵臓がん患者の積極的治療継続の決定に至る過程 |
2016 | 天野 功士 | 教育研究コース | 経口抗がん剤を継続している初発神経膠腫患者の生活の調整過程 |
2017 | 四方 文子 | 教育研究コース | 若年乳がん患者の内分泌治療中の療養生活体験 |
2018 | 椎野 育恵 | 教育研究コース | 初発乳がん患者が自分の子どもに病気を伝えるプロセス |
2020 | 有田 由美 | 高度実践コース がん看護CNS合格 |
外来化学療法を継続している切除不能進行再発大腸がん高齢患者が体験している困難及び対処 |
2021 | 植村 未奈子 | 高度実践コース がん看護CNS合格 |
母親の乳がんを伝えた後の思春期の子どもの反応と子どもへの関わり |
2022 | 山本 里香 | 教育研究コース | 専門的緩和ケアに携わる看護師による終末期がん患者のスピリチュアルペインに対する看護実践 |
2023 | 飯田 真実子 | 高度実践コース がん看護CNS合格 |
子宮頸がんにより手術療法を受けた未婚若年患者のセクシュアリティに関する体験 |
2023 | 山本 桂子 | 教育研究コース | 外来でアザシチジン療法を受けている急性骨髄性白血病高齢患者の困難およびケアニーズ |
2024 | 甲斐 美奈子 | 高度実践コース | 術後再発膵臓がん患者の化学療法中のアンメットケアニーズに関する研究 |
博士後期課程
修了年度 | 名前 | 論文タイトル |
2017 | 小笠 美春 | 胃切除後がん患者の食生活自己管理スキル尺度の開発 |
2017 | 小山 富美子 | 進行肺がん高齢患者の抗がん治療における意思決定を支える援助モデルに関する研究 |
2017 | 府川 晃子 | 分子標的薬を内服する肺がん高齢患者の QOL を保つための自己管理支援プログラムの開発に関する研究 |
2018 | 山中 政子 | 通院中の成人患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラムの開発に関する研究 |
2019 | 南口 陽子 | 進行がん高齢患者の最期を迎える場における患者と家族の意思決定支援モデルの開発 |
2020 | 田村 沙織 | 化学療法を受けている大腸がん患者のレジリエンスと精神的健康,QOL との関係およびそれらに影響する要因 |
2022 | 天野 功士 | 前立腺全摘除術後がん患者の下部尿路症状に対する自己管理尺度の開発 |
2022 | 井関 千裕 | 転移性乳がんと診断された成人女性の心理的適応を促進する看護介入プログラムの開発 |
2022 | 寺尾 奈歩子 | がん化学療法を受ける2型糖尿病患者の血糖と副作用の自己管理促進プログラムの開発 |
2023 | 橋本 理恵子 | 診断・治療期にある若年成人女性がん患者の揺らいだアイデンティティの安定を図る統合的看護介入モデルの開発 |
2024 | 喜多下 真里 | がん薬物療法を受けている進行がん患者の希望と精神的苦痛,Quality of Lifeとの関係,及びそれらの影響要因 |