大阪医科大学看護学部は2010年に開設し、これまで多くの看護師、保健師、助産師の看護職者を輩出してきました。2021年に大阪医科大学と大阪薬科大学の統合により、医療系総合大学として大阪医科薬科大学看護学部は新たなステージへとあゆみを進めています。
めざましい科学技術の進歩により医療が高度化・複雑化するなかで、安心・安全の質の高い医療を提供するためには、その中心を担う医師、看護師、薬剤師などの多職種との協働や連携が重要になります。そこで、医療系総合大学の強みを生かし、看護学部では多職種連携教育に力を入れています。1年生から4年間かけて、医学部や薬学部の学生と学びを共にして、座学のみならず、グループディスカッション、臨床実習での多職種カンファレンスなどを体験しながら段階的・実践的な学びができる教育を展開しています。
また、わが国では少子超高齢化の進行、それに伴う患者像の複雑化に対応するため、看護職に求められる役割や活躍の場がこれまで以上に拡大しています。このような社会からの期待に応えるためには、看護師・保健師・助産師ともにさらなる専門性の発揮が必要とされており、看護基礎教育の強化が喫緊の課題となっています。看護学部では、このような課題にいち早く対応できるよう看護実践力を身につけられるカリキュラムと実習環境を整え、高度医療を提供する特定機能病院、療養型施設、訪問看護ステーションなど多様な場での実習を通して、看護実践力を高められる教育を心がけています。
さらに、グローバルな社会に対応できる人材を育成するために、台北医学大学とミネソタ州立マンケート校と協定を結び、国際交流プログラムの充実を図っています。協定校との相互学生派遣のみならず、世界10か国13大学が提携校となり各大学の学生がグループになり課題に取り組む体験学習型オンラインプログラム(Connecting and Reflecting in Student International Interactive Study)も導入し、低学年次から学習できるように工夫しています。
看護は、人のいのちや生活に密着した職業であるからこそ、看護実践力や多職種と協働する力のみならず、誠実さや真摯に向き合う姿勢がとても重要になります。そのため、本学の学是である「至誠仁術」の精神を体現する看護教育をめざしつつ、未来社会Society5.0の新しい時代で活躍できる看護職者の育成に努めています。
学部長 鈴木 久美