
大阪医科薬科大学病院の小児病棟ならびにNICUで、健康障がいのある子どもと家族に対する看護を中心に学びます。2週め後半は地域の小中学校、支援学校、保育室での実習をとおして小児の健康の連続性と、それを支援する専門職の役割について学びます。
【病院実習の様子】
学内で小児看護学について学んだ後、病院での実習が始まります。しかし、知識があってもすぐに実践に移せるわけではありません。たとえば、小児病棟といっても0歳児から思春期までさまざまな発達段階の子どもがいます。疾患もさまざまで、強い症状がある子ども、退院が近づいている子どもなど、目の前にいる子どもは一人1人違うのです。そのため、実習前には技術演習を含めた実際のシチュエーションを想定した学習をして実習に臨みます。
小児病棟での実習は一人の患児さんの受け持ちを通して看護を展開していきます。また、NICUでは小さな赤ちゃんの命を救う場での実習となります。最初は緊張の連続かもしれませんが、徐々に子どもたちの成長や回復についてしっかり考える力をつけていきます。
小児看護学実習では、家族の存在を切り離すことができません。これまで家族と共に生活してきた子どもにとって、親がいない時間を過ごすのは未知であり恐怖を感じているかもしれません。まだ自分の気持ちを上手に表現できない子どもにとって、家族の存在は非常に重要です。子どもを取り巻く環境についても学んでいきます。
【学校・保育室実習での学び】
小児看護学実習の2週目の木曜日、金曜日は市内の小中学校や保育室で実習を行います。治療を受けている子どもたちへの看護を経験したあとに見る子どもたちは元気いっぱいです。しかし、日によっては体調がすぐれない日もあります。健康は連続体なのです。自分の体調を把握して表現するには、子どもが意見を言う機会が必要です。学級担任・養護教諭・保健主事など学校には子どもの健康を支える専門家がおられます。学年や発達段階によって子ども自身が健康を守る能力を身につけていく様子を学んでいきます。また、教育機関と看護や医療との連携についても考えていきます。