慢性期看護学実習

3年生の実習

慢性期成人看護学実習では、大阪医科薬科大学病院の内科病棟で3週間の実習を行います。この実習では、慢性病をもちながら療養生活を送るために患者様とそのご家族様にとって必要な行動変容を目指して支援します。特に、継続看護の視点を重視し、地域での生活を支えるために,多職種連携の重要性を理解できるよう症例カンファレンスを通して学ぶ機会を設けた実習を行っています。

慢性期の患者様に対する継続看護の視点として、壮年期の患者様が病と共存して生活するための行動変容を促す看護を展開します。また,老年期の患者様がこれまでの長年の生活で培ってきた価値観や信念、経験を尊重した看護を展開します。

学生の声

実習では座学では学べない深い学びをしています。
                    (学生さんのレポートより抜粋)
疾患と合わせて、その行動が患者さんにとって適切であるかということを意識することが必要性だと考え、「こうしたほうが良いのではないか」という思いが先に立つことがありました。しかし、その患者さんが実施できるかどうかを見極めることのほうが重要で、患者さんができないのは患者さんが悪いのではなく、何に困ってらっしゃるのかを一緒に考える必要があると思いました。患者さんが自分で自分の健康管理をしていかなければならないという思いを支えることが看護であり、入院中に患者さんに合ったセルフケアの方法を一緒に考え、退院後も継続できる支援をすることが看護では重要であることを学びました。

退院することを目標に置くことも重要ですが、退院前に帰ってから安全に過ごすことができる自宅環境であるのか、介護者となるキーパーソンはいるのか等、患者さんだけに焦点を当てるのではなく、家族面や物理的環境などを視野にいれることが継続看護をするうえで必要であることが学びました。退院カンファレンスを見学して、在宅に関わる医療者(訪問看護師、介護支援専門員、ソーシャルワーカーなど)と連携をとり、スムーズに在宅に移行できるように支援することが重要であると気づきました。退院後を見据えた看護とは何かを体験することができました。

患者さんの覚醒度が低く,コミュニケーションを図ることが難しかったですが、その人を知ろうと関わりはじめ、試行錯誤しながら関わり続けることで患者さんに少しずつ変化が現れたことから、諦めずに向き合い続けることで、「その人らしさ」が見えてくることを実感しました。