学部長からのご挨拶

 この度、大阪医科薬科大学医学部長を拝命いたしました。本学は2021年に大阪医科大学と大阪薬科大学との統合により誕生しました。大阪医科大学は1927年に我が国で初めての5年制医育機関である大阪高等医学専門学校として設立され、これまでに10,000名余の医師を輩出し、2027年には医学部創立100周年を迎えます。2010年には大阪医科大学に看護学部も開設されており、大学統合により医学部・薬学部・看護学部を備えた医療系総合大学となりました。実地の医療では多くの専門職からなるチーム医療を実践することが必須であり、医療系総合大学として本学の医学教育においても多職種連携教育を充実させてまいります。
 近年の医学・医療の急速な進歩、社会情勢の変化に伴う大学に対する社会からの要請の変化に対応するため、本学医学部においても入試制度やカリキュラムを大胆に変革する必要があります。本学の長年の伝統である自由でオープンな雰囲気や活発なクラブ活動を維持しつつ、学生に過度の負担をかけることなく医学知識・技能をしっかりと教授するためには、教員の側にも大きな意識改革が必要であります。教職員が一致協力して、本学ならではのカリキュラムを構築することを目指してまいります。
 医学を含む生命科学研究の発展は著しく、本学医学部においても基礎研究、臨床研究を問わず研究活動の活性化に努めてまいります。従来、本学医学部は実地医療に役立つ応用研究において、多くの成果を挙げてまいりました。本学発の優れた研究成果は、学生に対して本学医学部生であることの誇りと勉学に対するモチベーションを喚起することにも役立ちます。医学部における研究活性化にとって、臨床系大学院生や若手医師の十分な研究時間の確保が何より重要であります。医師の働き方改革に適切に対応しながら、大学院教育や研究活動を充実させてまいります。
 本学では国際交流センター(旧中山国際医学医療交流センター)を中心に協定のもと、ハワイ大学、シンガポール国立大学、ソウル国立大学、国立台湾大学、タイ・マヒドン大学など15大学と医学生の相互留学を実施しています。これからも協定校を北米・欧州にも拡大し、国際交流をより充実させることを目指します。
 本学医学部の理念・目的に沿って、強い倫理観や豊かな人間性を涵養しつつ、医師や医学研究者としての能力を生涯にわたって発展させることのできる医療者を育成すべく努めてまいります。

大阪医科薬科大学 医学部
学部長 矢野 貴人