学部長からのご挨拶

 2021年4月1日に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し、医薬看総合医療系大学として「大阪医科薬科大学」が誕生しました。私はこの初代医学部長を拝命しました。大阪医科大学医学部は1927年に日本初の5年制医学専門学校である「大阪高等医学専門学校」として開学しました。旧制大学を経て2017年、創立90周年を迎えました。2010年には看護学部を新設し、創立より数え約9500名以上の医師を輩出して、名実ともに関西を代表する医薬看の医療系総合大学となりました。
 医療の高度化・複雑化に伴い医師の業務は増大し、働き方改革により業務間のタスクシフトが促進されています。その中で質の高い医療を提供するには、医師、看護師、薬剤師などの専門職が強力なチーム医療体制を敷くことが必要不可欠です。学生教育の場でもこれを受けて医薬看の医療系総合大学の利点を前面に出し、多職種連携教育を充実させ、臨床に直結する医学教育を心掛けています。
 2018年には日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別認証を受審し、機構による訪問調査を経て国際基準を満たした医育機関と認定されました。医師国家試験の結果分析など、教育に関するデータの分析とその結果の共有を目的としてIR室を活性化し、ガバナンス維持にも努めています。研究面の充実のために、臨床を支える基礎系医学教室の人材育成を目的として、「研究医枠入試制度」を設けております。また、優れた基礎研究の成果を統合的かつ迅速に臨床研究に橋渡しするためにトランスレーショナル・リサーチ(TR)部門を充実させ、共通の研究目的を持った臨床教室間や、医学部と薬学部の共同研究に携わり、研究の質の向上を目指しています。
 本学では中山国際医学医療交流センターを中心に国際交流協定のもと、米国・ハワイ大学、ロシア・アムール医科アカデミー、シンガポール国立大学、ソウル国立大学、韓国カトリック大学、国立台湾大学、台北医学大学、タイ・マヒドン大学、ミネソタ州立大学マンケート校などの15大学と医学生交互留学を実施して参りました。これからもさらにグローバルな視点をもつ医療者育成のため、留学制度をより充実しております。
 診療は生命かかわる神聖な行為であるため、患者さんに対しては常に真摯な態度で望むことを医学教育の基本としています。さらに、医療や研究を通して社会に貢献できる医師、知識の探求と技術の向上心を生涯求め続ける医師を全力で育成する所存です。

大阪医科薬科大学 医学部
学部長 内山和久