藤本 健士郎

精神科を志した理由

学生の頃から、対話を通して治療的に関わることのできる精神療法に特に興味があり、精神科を志望しました。当科ならではの魅力は、『治療の多様性』にあると思っています。例えば、うつ病の患者様が10人いたとして、その症状や心因は10人とも異なり、それぞれ適切な精神療法的なアプローチも異なるでしょう。もちろん、薬物療法を中心として、学会が定める治療ガイドラインというレールの上から脱線しない事は大切ですが、その上で我々の持ち味を治療的に、多様的に活かせる点に魅力を感じています。

私の仕事紹介

臨床、教育、広報を中心に、教室運営に携わっています。特に臨床では児童・思春期領域をサブスペシャリティとして専門外来を任せられており、心理師の先生方と協力しながら日々の外来診療にあたっています。私自身、中高生の頃に強迫性障害やチック症の症状に悩まされた経験があります。思い返しても大変な10代でしたが、当時の主治医やカウンセラー、家族の助けがあって今の自分があると思っています。そうした当事者目線も大切にしながら、丁寧な診療を心掛けています。

教室の魅力

ひと言でいうと、『仲が良い医局』でしょうか(笑)精神科という専門性もありますが、医師、心理師の方々など医局メンバー全員がそれぞれのストレスに自然と配慮し合う穏やかな空気感があり、とても働きやすい環境と感じています。

メッセージ

近い将来、AIやロボット技術の発達に合わせて、病院の役割、医師としての働き方も変化していくことでしょう。そんな時流の中にあっても、人の情に触れられるのは又、人の情だということは変わらないと思います。精神科の面白さはそこにあって、きっと、100年前も現在も100年後も、「病める心に寄り添う」ことは、人にしかできない素晴らしい仕事だと感じています。将来ある専門性を、立地にも恵まれた当教室で、一緒に学びませんか。まずは見学に来られて、教室の雰囲気を感じてください。