進行がん高齢患者の最期を迎える場に対する意思決定支援モデルの導入による効果の検証

南口 陽子
MINAMIGUCHI YOKO

看護学部 がん看護学分野
カテゴリー:看護

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 患者が最期を迎える場を意思決定する際に、適切性と臨床適用可能性が明らかになったモデルを用いて意思決定支援を行う
  • 医療者間の連携や協働のあり方など意思決定支援に関わる医療者の課題を明確にし、意思決定支援体制を整備した上でモデルを適用する
  • 患者らしく生を全うする最善の場を、適切なタイミングで意思決定できるように導く支援の一助になる

研究の背景と概要

日本では医療の進歩や医療福祉制度の充実に伴い、最後を迎える場の選択肢が広がり、がん患者が自宅や医療・介護施設など多様な場で人生の最終段階の医療やケアを受けられるようになっている。また、厚生労働省は「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」として、もしものときのために、望む医療やケアについて前もって考え、家族などと繰り返し話し合い、共有する取組みに対する普及や啓発を進めている。
臨床現場においてがん患者は、最期を迎える場に関して医療者との話し合いのタイミングは抗がん治療の終了前後に求められることが多い。しかし、患者が死を避けられない自らの病状を理解し、家族の意向など様々な状況を考慮した上で、納得した意思決定を行うのは容易でない。そのため、抗がん治療の終了前後に行う患者の最期を迎える場の意思決定支援は重要である。
そこで、研究者らは「進行がん高齢患者の最期を迎える場に対する患者と家族の意思決定支援モデル」とその利用ガイドを作成し、その適切性と臨床適用可能性や有用性を明らかにしてきた。しかし、このモデルを臨床で適用するには、各医療施設における意思決定支援体制の整備が必要になる。そのため、本研究では、がん患者の最期を迎える場に対する患者と家族の意思決定に関わる医療者の課題を明確化した上で意思決定支援体制を整備し、モデルの効果を検証することを目的としている。

産学連携の可能性

各医療施設における意思決定支援体制を整備した上で、意思決定支援モデルを適用することで、患者らしく生を全うする最善の場に対する意思決定をタイミングを逃さず支援することができる。

関連論文・知財

1. Creation of a Nursing Intervention Model to Support Decision Making by Elderly Advanced Cancer Patients and Their Families About the Place of Death, and Evaluation of the Model's Appropriateness and Clinical Applicability. Minamiguchi, Y. & Suzuki, K. Journal of Hospice & Palliative Nursing 23 (6), 520-529, 2021
2. Decision-Making Process for the Place of Death of Elderly Patients with Advanced Cancer and Their Families. Minamiguchi, Y. and Suzuki, K. Open Journal of Nursing 9, 1281-1305, 2019
3. 終末期がん患者の療養の場および死を迎える場へのがん患者と家族の意向に関する文献レビュー. 南口陽子. 大阪医科大学看護研究雑誌. 9, 3-12, 2018