画像AI解析と血液マーカーを統合した新がん治療評価方法の構築を目指した研究

古瀬 元雅
FURUSE MOTOMASA


医学部 脳神経外科学教室

カテゴリー:医療機器

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 現在のがん治療の効果評価基準には限界がある
  • 評価が正確でなければ、その治療の有効性を評価できない
  • AI技術を用いた新たな治療効果判定ソフトの開発を目指す【プログラム医療器】

研究の背景と概要

がん治療の効果は、画像評価によることがほとんどである。しかし、ある種の抗がん剤治療や免疫療法では画像による評価が容易ではない。例えば脳腫瘍の治療評価においても、偽増悪や放射線壊死といった治療効果や有害事象は、画像上病変が増大してしまうため、現存の画像評価では増悪に該当してしまい、正確な治療効果の評価にならない問題点がある。PETなどの腫瘍の活動性を評価する画像検査を行うことで、これらの病態と腫瘍の増悪を鑑別できる可能性はあるが、PET検査は汎用性が低く、簡便に行うことは困難である。
がんの活動性が高いと炎症に関与する好中球やCRPの上昇が報告されているように、がんの悪性度や生命予後と相関を示す血液マーカーが各種報告されている。これらのマーカーと画像を統合的に解析すれば、画像上増大した病変が、本当の腫瘍の増悪かどうか鑑別が可能となる可能性が期待できる。これら炎症性マーカーは通常の血液検査で簡便に測定できるため、すぐにどの施設でも検査を行うことが可能である。画像データ(造影病変の体積、浮腫の体積など)および血液マーカー(好中球/リンパ球比やCRP/アルブミン比など)の変化と、その症例の変化(後日の経過で腫瘍の増悪、偽増悪、治療後反応など)を入力し、AIによって学習させるソフトを開発することができれば、リアルタイムにその病変の変化が腫瘍の増悪であるか否かの評価が、簡便に判断できるようになる。

産学連携の可能性

がん治療法評価の標準化に向けて、血液検査データと画像データを統合させてのAI強化学習によるシステム開発に関心をお持ちの企業や研究者の方は、下記までご連絡いただきたい。

関連論文・知財

Increasing C-reactive protein levels in a patient with glioblastoma with lymph node metastasis: a case report. Kanemitsu T, Furuse M, Kuwabara H, Yagi R, Hiramatsu R, Kameda M, Nonoguchi N, Kawabata S, Takami T, Arai M, Wanibuchi M. BMC Neurol 23(1), 354, 2023