Impression mold画像の自動解析システム(AAMS; Automatic Assessment for skin Microstructure and Sweating)を用いた発汗機能に関する研究

福永 淳
FUKUNAGA ATSUSHI


医学部 皮膚科学教室

カテゴリー:医療機器

研究開発段階

 

研究のポイント

  • アトピー性皮膚炎や特発性後天性全身性無汗症では発汗低下を呈する
  • 現状の一般的な発汗検査方法では発汗機能の定量化と可視化は非常に難しい
  • Impression mold法では発汗を画像として捉えることができるが、解析には多大な労力を有するため、AIを用いて自動解析することにより大幅に効率を上げる

研究の背景と概要

アトピー性皮膚炎において、かゆみの誘発・悪化因子として発汗が指摘されている一方で、汗の保湿効果、抗菌効果が注目されており、発汗を避けるのみの指導ではなく、患者個々のライフスタイルに即した発汗後の汗対策指導が重視とされている。
近年になり、アトピー性皮膚炎での発汗量低下が報告されつつある。アトピー性皮膚炎以外でも、糖尿病、甲状腺疾患、特発性後天性全身性無汗症では発汗機能が低下していることが知られつつある。ただし、現状の実臨床レベルでは発汗機能を定量化、可視化することは難しく、臨床現場では発汗機能を調べるためには全身温熱負荷のもと定性的検査方法を用いて検査を行なっている。共同研究者である青山・小出らのチームが近年になり開発をはじめているImpression mold(IM)画像の自動解析システム(AAMS; Automatic Assessment for skin Microstructure and Sweating)は発汗機能の定量化、可視化の課題を大幅に改善する可能性があるが、発汗障害のある患者における実用性や有用性は十分に確認されていない。この共同研究によりAAMSが確立されれば、診療の現場でより簡便に発汗機能を定量化、可視化することが期待できる。

産学連携の可能性

AAMSではImpression mold (IM)画像をAIに読影させ深層学習に基づいて発汗状態のみではなく肌の状態全般を解析できるようになれば特許出願も視野に入れて、美容業界や化粧品業界との産学連携が可能である。

関連論文・知財

1. A case of atopic dermatitis with hypohidrosis improved after dupilumab treatment. Imamura S, Washio K, Mizuno M, O Y, Ogura K,Fukunaga A, Nishigori C. J Cutan Immunol Allergy 3, 142‒144, 2020
2. Prurigo nodularis as a sweat gland/duct-related disorder: resolution associated with restoration of sweating disturbance. Katayama C, Hayashida Y, Seiko Sugiyama, Shiohara T, Aoyama Y. Arch Dermatol Res 311(7), 555-562, 2019
3. Cholinergic urticaria: subtype classification and clinical approach. Fukunaga A, Oda Y, Imamura S, Mizuno M, Fukumoto T, Washio K. Am J Clin Dermatol 24, 41-54, 2023