患者QOL向上を目指した新たな乳房再建後の再建乳房の形態評価方法とそのアプリケーション開発

大槻 祐喜
OTSUKI YUKI


医学部 形成外科学教室

カテゴリー:医療機器

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 乳房の3次元写真を利用して乳房形態を客観的な数値として形態評価を行う
  • 左右の乳房の対応する輪郭曲線同士の差を計算し、それを形態評価の変数とする
  • 上記変数を0から100に集簇する相対的点数に変換し、再建乳房形態評価に用いる

研究の背景と概要

背景:
乳癌の罹患数は年々増加しており、それに伴い乳房全摘出後に乳房再建術を行う症例も増加している。しかし再建後の乳房の形態を客観的に数値化して評価する方法は確立されていない。現在は、2次元や3次元写真を用いた主観的な評価や体積の算出などで、左右差を比較するというものである。再建乳房の形態や、どの部位がどの程度形態が乱れているのかなどを数値化することにより、患者への説明や修正術を進めるための根拠とすることが課題である。

概要:
3D写真撮影機器VECTRAⓇを用いて、女性型体幹マネキンを撮影する。その3D写真を編集ソフトにて左乳房に脂肪注入を行い、左右の乳房形態に左右差を作る。撮影した乳房をグリッド線の位置に固定後、1mm毎に乳房輪郭曲線を切り抜きその対応する乳房輪郭曲線同士の距離を左右差として求める。得られた乳房輪郭曲線の差からroot mean squareを計算し、それを変数とする。その変数を算式に代入して0から100に集簇する点数(仮称Breast symmetry score:BSS)とする。この点数は100に近いほど左右の乳房の形態が近似していることを示す。上記方法の精度や有効性を突き詰めVECTRAⓇのSTLデータから自動で・簡便に点数化できるアプリケーションソフトを開発する。実際の症例への適応を目標とし、より簡便にわかりやすく患者に乳房再建結果の評価を提示できるようにする。

産学連携の可能性

現在すでに垂直方向、水平方向の2方向の断面で客観的な乳房形態評価を行う方法を下記論文により発表しているが、形成外科領域の再建術シミュレーションソフトの開発を協働してくれる企業や研究者を求めている。

関連論文・知財

An original method of analysis of the breast contour curve with 3-dimensional imaging: Case series. Otsuki Y, Ueda K, Ichida T, Nuri T, Okada M. Medicine (Baltimore) 101(31), e29349, 2022