永易 洋子NAGAYASU YOKO
医学部 産婦人科学教室
カテゴリー:医療機器
研究開発段階
研究のポイント
- 緊急帝王切開の予測システム構築
- 人工知能の周産期分野への応用
- 病院DX化に向けた取り組み
研究の背景と概要
近年、妊娠年齢の高齢化とともに本邦の帝王切開率は上昇傾向にあり、それに伴い緊急帝王切開率も上昇傾向にある。具体的には、厚生労働省令和2年度統計資料の一般病院と一般診療所の合計で見ると、総分娩件数のうち帝王切開摘出術は21.6%であり、過去30年間で約2倍に増加している。しかし、診療所での分娩が約半数である本邦においては、マンパワーや施設の規模により、緊急帝王切開が迅速に施行できる施設は少数である。
本研究では、この喫緊の課題を解決するために人工知能の先端技術であるルール抽出技術を導入し、緊急帝王切開の予測を新しい視点から探求する。具体的には、ホワイトボックス化した説明できる人工知能(XAI:eXplainable AI)を用いた緊急帝王切開の予測システムの構築を行う。現在、ディープラーニングを代表とする人工知能は解析結果を説明ができない“ブラックボックス性”が臨床上の問題点と指摘されている。これを解決するため、本研究では、緊急帝王切開に至る理由をルールで表現する事によって人工知能の決定過程をホワイトボックス化し緊急帝王切開の予測システムを構築する。
システムを他医療機関でも応用することにより、どのような妊婦の合併症や児の出生前所見が、緊急帝王切開の予測に繋がるかを検証することが可能となり、安心して生み育てられる国づくりに貢献できるものと考えている。
産学連携の可能性
AIにおける決定過程のホワイトボックス化を共同開発して、緊急帝王切開の予測システム構築と将来の医療機器登録までを協働してくれる企業や研究者を求めている。
関連論文・知財
Use of an artificial intelligence-based rule extraction approach to predict an emergency cesarean section. Nagayasu Y, Fujita D, Ohimichi M, Hayashi Y. Int J Gynaecol Obstet. 157(3), 652-662, 2022