晩特異体質性薬物性肝障害の早期発症バイオマーカーの探索

田中 早織
TANAKA SAORI


薬学部 薬物治療学Ⅰ研究室

カテゴリー:医薬品 

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 反応性代謝物により細胞から放出されるDAMPsのプロテオーム解析と早期マーカーとしての機能解析
  • 特異体質性薬物性肝障害の有効な早期バイオマーカーの発見と診断への適用検討
  • 免疫耐性を解除した薬物性肝障害モデルマウスでの検討

研究の背景と概要

臨床試験の開発が中止された事例のうち、20-30%は副作用・毒性発現によるものであり、その中でも特に薬物性肝障害の発現が約40%と主な原因となっている。特に特異体質性薬物性肝障害は死亡例が認められる重篤な副作用であり、医薬品の開発中止や市場撤退の大きな原因となっている。しかし、その発症機序は未だに不明であり、具体的な予測は不可能と言われている。
私たちは、現在までに薬物及びその反応性代謝物が原因で肝細胞にストレスを与えることで肝細胞からdamage-associate molecular patterns(DAMPs)と呼ばれる物質が放出され、免疫を活性化することで肝障害を発症する可能性を明らかにしてきた。本研究では、肝細胞を用いてDAMPsの網羅的解析を行い、さらに免疫耐性を解除した薬物性肝障害モデルマウスの検討で特異体質性薬物性肝障害の早期発症バイオマーカーについて、臨床応用を目指した検討を行う。

産学連携の可能性

・DAMPsのプロテオーム解析により、創薬段階での開発候補物質の安全性スクリーニング法の開発
・DAMPsのプロテオーム解析による早期発症バイオマーカーの開発により、市販後の薬剤適正使用への応用および治療法の開発

関連論文・知財

Mechanism of non-steroidal anti-androgen-induced liver injury: Reactive metabolites of flutamide and bicalutamide activate inflammasomes. Kato R, et al. Toxicol in Vitro 90, 105606, 2023