Marfan症候群等遺伝性結合組織疾患における大動脈解離発症機序の解明

神吉 佐智子
KANKI SACHIKO


医学部 胸部外科学教室

カテゴリー:医薬品 

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 若年期に大動脈解離を発症する遺伝性疾患がある
  • 大動脈解離発症メカニズムの解明によって患者のQOLと生命予後改善が見込まれる
  • 大動脈解離動物モデルを用いた病態解明は創薬に繋がる

研究の背景と概要

Marfan症候群(指定難病167)やLoeys Dietz症候群など、大動脈脆弱性に関連する遺伝子変異の原因遺伝子を生まれながらに有する遺伝性結合組織疾患の患者や家族は、若年期であっても重篤な大動脈解離を発症するリスクがある。最近は遺伝学的検査や遺伝カウンセリングが保険収載されたが、病原性不明の遺伝子変異が見つかることも多い。大動脈は全身に動脈血を届けるために重要な臓器であるが、大動脈解離の詳細な機序は未だ不明であり、大動脈解離を予防する薬剤は見つかっていない。大動脈解離を発症した患者で見つかった遺伝子変異を導入したマウスを筑波大学で作成したところ、大動脈瘤や大動脈拡大を先行しない大動脈解離マウスの開発に成功した。このマウスの詳細な解剖学・病理学的・生理学的解析と分子生物学的解析等で、大動脈解離発症前のバイオマーカの検索や創薬につながる小分子の検索を行う。

産学連携の可能性

大動脈解離発症メカニズムの解明を通じて、発症前のバイオマーカを活用した新規診断法の確立や、予防・治療薬の開発に進めたい。創薬や診断システムの企業や研究者との協働を求めている。

関連論文・知財

Unraveling the role of TGFβ signaling in thoracic aortic aneury sm and dissection using Fbn1 mutant mouse models. Vio -lette Deleeuw et al. Matrix Biology 123, 17-33, 2023