ヒト脂肪幹細胞におけるトランスポーター介在性輸送解析

竹林 裕美子
TAKEBAYASHI YUMIKO

薬学部 製剤学研究室
カテゴリー:医薬品 

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 脂肪幹細胞を用いた細胞医薬を構築する
  • 脂肪幹細胞における薬物の輸送機構について分子レベルで解析する
  • 腎障害時における薬物封入脂肪幹細胞の腎保護作用について検証する

研究の背景と概要

間葉系細胞の一つである脂肪幹細胞は、骨髄由来幹細胞と比べドナーに対する侵襲性が低く、脂肪組織あたりの幹細胞含有率が高いこと、また、脂肪幹細胞の増殖速度が速く細胞数の確保が比較的に容易であることから、再生医療への応用が期待されている。一方、間葉系幹細胞が障害組織への指向性・組織修復作用を有することが報告されている(Fig. 1)。脂肪幹細胞が障害を受けた組織に集積する作用を利用し、脂肪幹細胞に薬物を封入させ障害組織に送達させる、ドラッグデリバリーシステムとして脂肪幹細胞を用いる方法も注目されている。しかし、脂肪幹細胞への薬物移行性に関する情報は非常に少なく、さらに、薬物の体内動態に関与するトランスポーター介在性輸送が脂肪幹細胞にも存在するかは不明な点が多く残されている。
本研究では、腎障害をターゲットとし、脂肪幹細胞への腎保護作用を持つ薬物の封入性を高めるため、まず、脂肪幹細胞における薬物トランスポーター分子に焦点を当てた輸送解析を行い、脂肪幹細胞における薬物輸送機構を分子レベルで解明する。その結果を基に、腎保護作用を有する薬物を脂肪幹細胞に搭載することで脂肪幹細胞の機能性を高め、より有効に投与された脂肪幹細胞が到達した障害部位で保護作用を発揮させる機能向上型新規細胞医薬の開発に繋げていくことを展望としている。

産学連携の可能性

腎障害時における薬物封入脂肪幹細胞の腎保護作用の可能性について検証を進めていく。脂肪幹細胞を用いた機能向上型新規細胞医薬を目指す研究に関心をお持ちの企業・研究者との共同研究を求めている。