加藤 隆児KATO RYUJI
薬学部 薬物治療学Ⅰ研究室
カテゴリー:医薬品
研究開発段階
研究のポイント
- 創薬段階における開発候補化合物の代謝を含めた安全性スクリーニングへの応用
- 副作用発症機序の解明による有効な治療法の開発
- 早期バイオマーカーによる重篤副作用発症予測精度の向上
研究の背景と概要
市場撤退を余儀なくされた薬物や開発中に臨床試験が中止された薬物の原因として、免疫反応が関与する副作用の発症が考えられている。しかし、その詳細な発症機序は未だ不明な点が多く、予測・予防・治療法は存在していないのが現状である。現在までに、私達は各組織(肝臓、腎臓、心臓、肺)の実質細胞に非実質細胞である抗原提示細胞を組み込んだin vitroアッセイシステム(図1)を構築することで、特異体質性薬物副反応の発症機序の検討を行ってきた(図2)。本システムは創薬段階における薬物スクリーニングに応用可能と考えられる。
また、現在までの検討結果より、特異体質性薬物副反応の発症には、薬物自身あるいはその反応性代謝物が細胞にとってストレスとなることで、細胞から免疫細胞を活性化する物質(damage associated molecular patterns,DAMPs)が分泌されることが明らかになってきている。今後、プロテオーム解析を行うことでDAMPsの詳細を明らかにし、早期バイオマーカーへの応用を考えている。
本研究では、特異体質性薬物副反応の発症予測システムの開発と早期バイオマーカーの探索を目的としている。
産学連携の可能性
開発する「特異体質性薬物副反応の発症予測システム」のキット販売に関心を持つ企業、特異体質性副反応の創薬時スクリーニング法の導入に関心を持つ製薬企業、早期発症バイオマーカー、新規治療法の開発も期待される。
関連論文・知財
1. Mechanism of non-steroidal anti-androgen-induced liver injury: Reactive metabolites of flutamide and bicalutamide activate inflammasomes. 1. Kato R, Yamada T, Noda T, Tanaka S, Kohda Y, Ijiri Y. Toxicol In Vitro 90, 105606, 2023
2. Disproportionality analysis of acetaminophen-induced hepatic disorders with and without immune checkpoint inhibitors. Yamada T, Kato R, Ijiri Y, Nishihara M, Neo M. Int J Clin Pharm 45, 442-450, 2023
3. Role of caspase-8 and/or -9 as biomarkers that can distinguish the potential to cause toxic- and immune related-adverse event, for the progress of acetaminophen-induced liver injury. Noda T, Kato R, Hattori T, Furukawa Y, Ijiri Y, Tanaka K. Life Sci 294, 120351, 2022

