限局性学習症/学習障害(LD)の診断および教育支援方法のデジタル化

島川 修一
SHIMAKAWA SYUICHI

奥村 智人
OKUMURA TOMOHITO

医学部 小児科学教室
小児高次脳機能研究所
LDセンター

カテゴリー:医療素材

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 限局性学習症/学習障害(SLD/LD:Specific Learning Disorder/Learning Disorder)の診断方法のデジタル化
  • LD児童への学習支援方法のデジタル教材開発

研究の背景と概要

LDは「読む」「書く」「計算する」の学習技能に問題を生じ、読解や作文にも困難をきたす。LDは成績低下に直結し、自己肯定感の低下、適応障害を生じ、結果、不登校やさまざまな精神症状をきたす場合もあり、早期の診断や対応が必要である。現状、読み書きの技能評価や読み書きに関わる認知機能の評価をおこなう検査バッテリーが各研究機関から発刊されている。
われわれも検査バッテリーの開発をおこなっているが、紙と鉛筆を使用するものが多く、検査の実施に検査法の熟達と時間がかかり、採点にも結果算出にも労力と時間がかかることが教育や医療現場で大きな問題となる。また、データ保存に広い収納スペースが必要であり、検査結果を施設間共有する場合にもデジタルデータに比べ不便である。このようなことから、検査バッテリーのデジタル化に向けて、ICTやAI分野の企業・研究協力者を募集している。
LDと診断された児童は、テキストの音声化や音声による文字出力ができるタブレット型学習支援ツールとして用いている。しかしその性能は、音声化は棒読みで、漢字の読み間違いも多く、文字出力ソフトについてはあくまで電子辞書のように文字検索は可能であるが、実際の学習の際にはディスプレイに出た文字を書き写す必要がある。LDの児童は、書き写しも困難な児童がいるため、実用的ではない。このような状況を打開するために、実用的な読み書き支援ツール開発の協力者を募集している。

産学連携の可能性

平成24年度文部科学省調査によると、学習面・行動面で学校生活に困っている子供は6.5%(推定値)である。我々と共に、LDの診断・教育支援方法の標準化・デジタル化を推進してくれる企業・研究者を求めている。

関連論文・知財

1.A comparative analysis of children born with low birthweight and attention deficit hyperactivity disorder. Iai Y et al. Pediatr Int 64, e15298, 2022
2.Validity of the Wide-range Assessment of Vision-related Essen tial Skills in Japanese Children with Learning Problems. Okumura T. Optom Vis Sci 97, 275-285, 2020