消化器がん手術における術後回復を促進させるオンラインアプリの開発

田中 亮
TANAKA RYO


医学部 一般・消化器外科学教室

カテゴリー:医療機器

研究開発段階

 

研究のポイント

  • 退院後もオンラインにて患者と繋がり、フォローアップを行える
  • オンラインにて栄養介入を継続し、術後体重減少を抑制する
  • オンラインにて運動介入を継続し、筋力や身体活動性の低下を防ぐ

研究の背景と概要

【背景】超高齢社会に伴い消化器癌患者の高齢化も急速に進んでいる。高齢者の生理的な退行性変化に加えて、周術期の手術侵襲や活動性低下に伴う骨格筋量低下による退院後のQOLの低下は、社会包括的に対応すべき課題である。手術侵襲に関しては、腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術などの低侵襲手術やEnhanced Recovery after Surgery (ERAS) プログラムに代表される新規の周術期管理の有用性が報告されている。先行研究では、胃癌手術において入院中の栄養・運動療法により体重減少と骨格筋量の減少を抑えられたが、退院後の継続が重要であることが課題として明らかになった。すなわち、退院後も患者と繋がった医療者の見守りと、アプリによる自己評価と動機付けが、栄養状態・活動性の回復に有効である可能性があり、この目的に特化したアプリ開発が、社会経済的にも有用である。

【概要】このようなアプリの開発、運用を計画している。アプリと連動したwearable watchを装着してもらい、バイタルサイン、歩数、運動量を記録し、体重や食事摂取量を入力してもらう。アプリにてリハビリ動画をいつでも視聴できるようにしておく。またチャット機能を通して、症状に関する簡単な相談を適宜行う。定期受診の際には、血液検査や体組成測定から得られたデータとアプリを通してフィードバックを行い、術後回復をより促進させることが狙いである。

産学連携の可能性

Wearable watchを用いて術後回復を促進させる「ERASアプリ」に必要なコンテンツアイデアはあるので、開発・普及に関心のある企業や研究者との協働を求めている。

関連論文・知財

Protocol for enhanced recovery after surgery improves short-term outcomes for patients with gastric cancer: a randomized clinical trial. Tanaka R, Lee SW, Kawai M, Tashiro K, Kawashima S, Kagota S, Honda K, Uchiyama K. Gastric Cancer 20(5), 861-871, 2017