猪俣 陽介INOMATA YOSUKE
医学部 一般・消化器外科学教室
カテゴリー:医薬品
研究開発段階
研究のポイント
- NASH Kupffer細胞の単離方法の効率化
- Kupffer細胞の網羅的解析
- Kupffer細胞糖代謝変化をターゲットにした治療法の確立
研究の背景と概要

近年、非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH)の発症率が上昇しており、その治療に向けて新たなアプローチが求められる。特に、Kupffer細胞はNASHの病態において重要な役割を果たしており、その単離方法の効率化と治療ターゲットの探索が急務である。我々は先行実験で、NASH発症過程におけるKupffer細胞内の糖代謝経路変化を確認し、さらにmicroRNAであるmiR122-5pが糖代謝律速酵素であるPKM2の発現調節をすることで解糖系優位の代謝変化が生じることを解明し論文化してきた。以下に上記研究を通して新たに生じたニーズをまとめる。
ニーズ1.Kupffer細胞単離方法の効率化Kupffer細胞の単離の従来法は手間がかかり効率が低い。自動化技術の導入も見据えた新しい単離法の開発や効率的な細胞分離手法の組み合わせなども必要とされる。
ニーズ2.Kupffer細胞の網羅的および新規解析技術の導入単離したKupffer細胞の分子プロファイリングやプロテオー
ム解析などの技術導入が必要と考える。
ニーズ3.新たな治療ターゲットの発見NASHの病態理解が進む中、治療ターゲットの発見が重要である。本プロジェクトではKupffer細胞の糖代謝変化と分極化(M1からM2)に着目し、プロテオーム解析などから得られた解析結果より新規治療ターゲットを探索することを最終目標とする。
産学連携の可能性
国内外問わず共同でNASH治療を目指して、NASHのサンプリング・Kupffer細胞単離方法の新規プロトコール開発・プロテオーム解析などの新規解析可能機関など、協力していただける機関を探している。
関連論文・知財
Downregulation of miR-122-5p Activates Glycolysis via PKM2 in Kupffer Cells of Rat and Mouse Models of Non-Alcoholic Steatohepatitis. Inomata Y, Oh JW, Taniguchi K*, et al. Int J Mol Sci. 23(9), 5230, 2022