東 剛志AZUMA TAKASHI
薬学部 衛生化学研究室
カテゴリー:医薬品
研究開発段階
研究のポイント
- 抗菌薬及び薬剤耐性菌による水系環境汚染の実態解明
- 医療排水を対象にした新規高度水処理技術の開発
- 環境リスク削減対策効果の新評価法構築への取り組み
研究の背景と概要

近年、抗菌薬に耐性を有する薬剤耐性菌の出現と蔓延の問題が世界的に深刻な規模で進行している。抗菌薬は人、畜産業、水産業、農業、愛玩動物など幅広い分野で用いられており、WHOは人-動物-環境による包括的な対策としてワンヘルス(One Health)アプローチによる取り組みを提唱するとともに、各国に国家行動計画の策定を求めており、日本においてもアクションプランが制定され対策が進んでいる。
一方で、環境中における薬剤耐性菌の実態についてはまだ不明なことも多く、汚染実態の解明と環境リスク評価と対策について研究を行うことが課題になっている。医療機関の排水には、疾病の治療のために用いられる医薬品類(残薬や洗浄水など)や微生物が含まれている。これらの排水は、下水道を通じて排水処理施設で処理された後、河川や海へと放流されるが、医薬品類や微生物といった新たな環境汚染物質については従来型の排水処理システムでは十分な処理を行うことが困難である場合も少なくなく、問題解決に向けた取り組みを行うことが喫緊の課題になっている。
そこで本研究では、都市部に位置する河川流域に着目して、現地調査・環境動態の解明、水処理工程における挙動の把握、医療排水を対象にした新規高度水処理技術の開発、各種環境リスク削減対策の効果について検討し、積極的に情報発信をしていく。
産学連携の可能性
大学をはじめとして、環境対策装置メーカー、製薬企業、産官の研究機関・シンクタンク、病院等の医療機関の研究者及び実務者との共同研究等を通じて、国、地方公共団体、企業との積極的な連携を行っている。
関連論文・知財
1. Inactivation of Antibiotic-Resistant Bacteria in Hospital Was tewater by Ozone-Based Advanced Water Treatment Processes. Azuma T, et al. Sci Total Environ 906, 167432, 2024
2. Performance of a Pilot-Scale Continuous Flow Ozone-Based Hospital Wastewater Treatment System. Azuma T, et al. Antibiotics 12(5), 932, 2023
3. Disinfection of Antibiotic-resistant Bacteria in Sewage and Hospital Effluent by Ozonation. Azuma T, et al. Ozone Sci Eng 43(5), 413-426, 2021