学修実態

1.建学の精神とディプロマポリシーについて

①「建学の精神」の認知

全体では約7割の学生が「建学の精神」をある程度以上に理解していると回答しており、昨年度と比べて「建学の精神」を理解する割合が高くなっています。一方、ほとんど理解していないと回答した学生も全体で7.5%います。引き続き、学生には日々の学習のなかで「建学の精神」を意識することが求められます。

②「ディプロマポリシー」に関する認知

全体の約6割の学生が医学部のディプロマポリシーを比較的理解していると回答しています。これは昨年度よりも増加しており、ここ数年で少しずつディプロマポリシーの理解が進んでいるようです。引き続き、ディプロマポリシーを確認する機会を各学年で増やす必要があります。

今年度、身についた能力や態度(ディプロマポリシー項目に対する自己評価)

③高い倫理性と誇りをもって、自己管理能力とリーダーシップを有し、他者に敬意をもって接することができる。

④医学における科学的知識について十分に理解し、診療や研究に活用できる。

⑤統合された医学・科学的知識、技能に基づいて、高い倫理観を有し、患者に敬意と思いやりをもって、医療行為を実践できる。

⑥医師や医学研究者としての能力の向上を目指し、生涯にわたって自ら学習することができる

⑦他の医療職の立場や考え方を理解、尊重しながら自分の考えを伝え、チーム医療において良好な人間関係を構築することができる。

⑧医療の社会性に関する基本的な知識を身につけ、限られた資源を有効に活用しながら、適切な判断に基づく医療を実践できる。

⑨外国語表現力を身につけ、海外の医療者・研究者や患者とコミュニケーションを取ることができる。

ディプロマポリシーとして掲げられている項目に関する達成度の自己評価では、学生全体で身についたとする回答がほとんどの項目において7割前後となっており、とくに5・6年生で、その割合が高くなっています。一方、まったく身につかなかったとする学生の割合は全体で1割程度にとどまっています。全体として学生のディプロマポリシーに関する達成の自己評価は、例年と比べて大きな変化はありませんが、国際性に関する項目では、学生全体では約7割がある程度以上身についたと回答しており、これまでと比べて増加しています。

2.今年度の授業を振り返って

今年度のカリキュラムに関して
 1年生:総合教育(講義・演習・実習)全体 
 2年生:基礎教育(講義・演習・実習)全体
 3年生:PBL中心
 4年生:PBL中心
 5年生:臨床実習
 6年生:6年間を振り返って

①授業への積極的な参加

学生全体では、9割以上の学生がどちらかと言えば積極的に参加したと回答しています。とくに臨床実習がある5年生では積極的に参加した学生の割合が高くなっています。昨年度は6年生で積極に参加した学生の割合が例年より低くなっていましたが、今年度は例年並みの結果となっています。

②授業の満足度

③授業全般でよかったと評価できるところ

④授業全般で欠けていたと思うところ

全体でみると比較的授業に満足している学生が約9割、満足していないとする学生は2%程度と、昨年度と比べて学生の満足度は増加しています。これは昨年度は新型コロナウイルスのために登校禁止期間があったり、オンライン授業が多かったりしたのに対して、今年度は授業に対する感染症対策の影響が限定的だったことが関係していると考えられます。

臨床実習について

⑤臨床実習で患者と接した時間

⑥臨床実習での患者との積極的な関わり

⑦臨床実習での全体的な満足度

臨床実習に関しては、昨年度は5年生、6年生ともに約6割の学生が、実習時間が少し足りなかった、あるいは短すぎると回答していましたが、今年度は約3割となっており、適切な時間であったと考える学生が増加しています。臨床実習における患者との関わりでは、5年生、6年生とも約9割の学生が比較的、積極的に関わったと回答しており、昨年度より微増しています。臨床実習全体に対する満足度では、比較的満足しているとする学生が5・6年生全体で約9割となっており、昨年度の約7割から増加しています。これらの結果は、昨年度は新型コロナウイルスのために実習が中断したり、制限されたりした期間があったものの、今年度は実習に対する感染症対策の影響が限定的だったことによるものだと考えられます。

⑧現在あるいは将来役立ちそうな授業

全体では約9割の学生が、現在あるいは将来役立ちそうな授業があったと回答しています。一方で、役立ちそうな授業がなかったとする学生の割合は全体では1割以下です。この結果は例年とほぼ同じです。

今年度受講したアクティブラーニングの経験について

⑨ディスカッション、ディベート(議論・討論)

⑩グループワーク(小グループや班別授業)

⑪プレゼンテーション(個人またはグループでの発表)

⑫実習、フィールドワーク(実習・臨床実習などの授業や学外に出向く授業など)

⑬予習・復習を行うことを前提とする授業が行われる

⑭定期的に小テストやレポートが課される

⑮レポート等提出物の添削と返却が行われる(教員からのフィードバックがある授業)

アクティブラーニングについて、どの項目においても経験したと回答した学生が全体で約8割と、昨年度よりも増加しています。とくに2・3年生の「ディスカッション、ディベート(議論・討論)」、3・4年生の「グループワーク(小グループや班別授業)」、「プレゼンテーション(個人またはグループでの発表)」、「実習、フィールドワーク(実習・臨床実習などの授業や学外に出向く授業など)」で経験の割合が増えていることが見てとれます。これは、今年度は昨年度よりも遠隔授業が少なく、対面授業が多く行われたことが関係していると考えられます。

3.今年度の授業外学習を振り返って

①今年度の平均的な1日あたりの予習時間(授業外学習)

②今年度の平均的な1日あたりの復習時間(授業外学習)

授業外学習については、予習、復習とも、学年が上がるにしたがって、1日あたりの勉強に費やす時間の割合が増えていることが確認されます。この傾向は昨年度と同様ですが、今年度は、1~3年生で勉強時間1時間未満の学生の割合がやや高くなっています。これは、課題提出が求められるオンデマンド授業の減少が原因として考えられます。

③今年度のUNIPAの利用状況

④UNIPAの利用目的

学生支援のポータルサイト「UNIPA」を利用する学生は、全体で約8割となっています。学年別にみると、3・4年生で昨年度より毎日利用する学生の割合が低くなっていますが、カリキュラム上、UNIPAを利用する機会が少ない6年生を除いて、どの学年でも約8割の学生が週2、3回以上はUNIPAを利用しているようです。利用目的をみると、「授業の教材や課題のため」がもっとも多くなっています。

⑤ポートフォリオ「マイステップ」の利用状況

⑥臨床実習時、BML配属時のポートフォリオ「マイステップ」における教員からのコメントについて

ポートフォリオ「マイステップ」については、全体では約5割の学生が比較的利用しています。ここ数年間で「マイステップ」を定期的に利用する学生は増加する傾向にあります。また5・6年生の「マイステップ」における教員からのコメントに関しては約65%の学生が臨床実習に役立てたと回答しています。この結果は昨年度とほぼ同じです。

⑦今年度の担任・メンター教員との面談

⑧担任・メンター教員との面談の満足度 

今年度、担任・メンター面談したとする学生は、1年生で約65%、それ以外の学年で2割以下にとどまっています。昨年度と比較すると、6年生で面談を経験した学生が減少していますが、それ以外の学年では昨年度とほぼ同じです。面談における満足度をみると、比較的満足と回答した学生は全体では約9割となっていて昨年度と同様の結果でしたが、5年生では3割の学生が面談に満足していないと回答し昨年度より高くなっています。

4.総合的な学習の評価

入学してから今までに学習した成果(結果)の満足度

入学後、現在に至るまでの学習成果についての満足度は、全体では約9割の学生が比較的満足していると回答しています。また「満足していない」とする学生の割合も各学年で約2%以下であることから、全体としては多くの学生が自分の学習成果に満足しているようです。この結果は昨年度とほぼ同じですが、比較的満足している学生がやや増えています。