学修実態

1.建学の精神とディプロマポリシーについて

①「建学の精神」の認知

全体では約6割の学生が「建学の精神」をある程度以上に理解していると回答しています。一方、ほとんど理解していないと回答した学生の割合は1割に満たない結果でした。これは昨年度とほぼ同様の結果です。引き続き、「建学の精神」を日々の学習のなかで継続して意識する必要があります。

②「ディプロマポリシー」に関する認知

全体では約6割の学生が看護学部のディプロマポリシーを比較的理解していると回答しています。一方、全体で約1割の学生が「知らない」と答えています。これは昨年とほぼ同様の結果です。学年をみると4年生が約7割ともっとも高くなっています。ディプロマポリシーを確認する機会を増やすため、2020年度より各学年のガイダンスの時に3ポリシーについて説明し、学生に周知する取り組みをしています。

今年度、身についた能力や態度(ディプロマポリシー項目に対する自己評価)

③生命の尊厳を守り、人権を尊重し、多様な文化を持つ人々の生き方や価値観を尊重した行動をとることができる。

④多面的かつグローバルな視点から看護に関する課題を探究し、新しい知識や技術の創造に取り組むことができる。

⑤看護学に関する基本的な専門的知識と技術を身につけ、個別の健康課題に対し、ライフステージや健康状態等を考慮した看護を実践することができる

⑥地域社会における健康課題を把握し、多職種と連携し協働する必要性と方法を理解して、多様な課題の解決に取り組むことができる。

⑦自らのキャリア形成をみすえて、向上心をもって自己研鑽し続けることができる。

ディプロマポリシーとして掲げられている項目に関する達成度の自己評価では、ほとんどの項目において、身についたとする学生の割合が全体で約8割となっており、いずれの項目でも4年生でもっとも割合が高くなっています。ただし、「多面的かつグローバルな視点から看護に関する課題を探究し、新しい知識や技術の創造に取り組むことができる」の項目では、身についたとする学生の割合が他の項目よりもやや低く、全体で7割となっています。昨年と比較すると、ディプロマポリシーに関する達成の自己評価は学生全体では高い水準を維持していると言えます。

2. 今年度の授業を振り返って

①授業への積極的な参加

学生全体では、積極的に参加したとする学生が9割を超えています。とくに3年生では積極的に参加した学生が多いようです。これは専門科目の臨床実習と関係していると考えられます。今年度は、新型コロナの影響でオンラインや対面・オンラインのハイブリッドなど通常とは異なる形態で実施される授業もありましたが、授業参加に対する積極性は昨年度と同様の結果でした。

②授業の満足度

③授業全般でよかったと評価できること

④授業全般で欠けていたと思うこと

全体でみると、授業に比較的満足している学生は約7割で、昨年度の約9割と比べて満足度が下がってます。とくに2年生と4年生で比較的満足していない割合が3割に達しています。授業に満足した理由については、「充実した授業内容」を挙げている学生の割合が昨年度より低く、これは授業に満足しなかった理由としても昨年度から割合が増えています。これは新型コロナの影響で対面授業が実施できなかったことが関係していると考えられます。

臨床実習について

⑤臨床実習で患者と接した時間

⑥臨床実習での患者との積極的な関わり

⑦臨床実習での全体的な満足度

臨床実習に関しては、すべての学年で約8割の学生が実習時間は適切であったと回答しています。また、臨床実習における患者との関わりでは、全体では約6割の学生が積極的に関わったと回答しており、どちらかと言えば積極的であったとする学生とあわせると9割を超えます。臨床実習全体に対する満足度では、全体で半数の学生が「満足している」と回答しており、比較的満足しているとする学生を含めるとほとんどの学生が満足しているようです。これらの結果は昨年度とほぼ同じであり、臨床実習での学習に関しては新型コロナ禍にあっても昨年度と同様の水準を維持したと言えるでしょう。

⑧現在あるいは将来役立ちそうな授業

全体では、現在あるいは将来役立ちそうな授業がよくあったと回答した学生が半数を占め、ときどきあったとする学生と合わせるとほぼすべての学生が将来役立ちそうな授業があったと回答しています。これは昨年度とほぼ同様の結果です。

今年度受講したアクティブラーニングの経験について

⑨ディスカッション、ディベート (議論・討論)

⑩グループワーク(小グループや班別授業)

⑪プレゼンテーション(個人またはグループでの発表)

⑫実習・フィールドワーク(実習・臨床実習などの授業や学外に出向く授業など)

⑬予習・復習を行うことを前提とする授業が行われる

⑭定期的に小テストやレポートが課される

⑮レポート等提出物の添削と返却が行われる(教員からのフィードバックがある授業)

アクティブラーニングの項目すべてで、経験したという回答が学生全体の8割という結果です。昨年度と比べると、3年生を除いて「ディスカッション・ディベート」、「グループワーク」「プレゼンテーション」で、ほとんど、またはまったく経験しなかったという回答が増えています。これは新型コロナの影響で対面授業が実施できなかったことが関係していると考えられます。ただし、全体としては昨年度と同様の回答傾向だと言えます。また「実習・フィールドワーク」に関しては2年生で経験した割合が低いものの、2年生では「定期的に小テストやレポートが課される」で「よくあった」の割合が高くなっており、カリキュラムの学年特性が反映されていると言えます。これも昨年度と同様の結果です。

3. 今年度の学習を振り返って

①今年度の平均的な1日あたりの予習時間(授業外学習)

②今年度の平均的な1日あたりの復習時間(授業外学習)

授業外学習については、予習・復習ともに3年生で、他の学年に比して、長時間の傾向にあることが確認されます。全体としては、半数以上の学生が1日2時間以上は予習・復習しているようです。この結果は昨年度とほぼ同じです。

③今年度のUNIPAの利用状況

④UNIPAの利用目的

⑤ポートフォリオ「マイステップ」の利用状況

学生支援のポータルサイト「UNIPA」を利用する学生は、全体で約7割となっています。とくに1・2年生で利用頻度が高くなっています。またポートフォリオ「マイステップ」を利用する学生は、全体では3割程度にとどまりますが、3年生では約4割の学生が「よく利用する」と回答しており、もっとも利用している学年となっています。これらの結果は昨年度と変化はありません。一方で、昨年度、約7割の学生がまったく利用していないと回答した4年生では、今年度まったく利用しないという学生の割合が低くなり、約3割の学生が利用したと回答しました。これは今年度、感染症拡大防止のため登校できない期間があったことと関係していると考えられます。

⑥今年度のチューターとの面談

⑦ チューターの体制に満足しましたか

今年度、チューターと面談したとする割合は、学生全体で約半数でした。これは約8割の学生が面談した昨年度よりも低い結果となっています。これは今年度対面での対応が難しかったことを示していると言えます。一方で、チューターとの面談に対する満足度では、学生全体では約9割の学生が比較的満足したと回答しています。とくに約6割の学生が満足したと回答していますが、これは昨年度の約4割よりも高くなっており、新型コロナ禍にあってチューター面談が果たした役割の大きさを示唆するものと言えます。

4. 総合的な学習の評価

入学してから今までに学習した成果(結果)の満足度

入学後、現在に至るまでの学習成果について、全体では8割を超える学生が比較的満足していると回答しています。また「満足していない」とする学生が非常に少なく、比較的満足していない学生の割合も1割程度にとどまることから、全体としては多くの学生が自分の学習成果に満足しているようです。これは昨年度と同様の結果です。