大阪医科薬科大学病院リウマチ膠原病内科

トランスレーショナルリサーチ

トランスレーショナルリサーチ

当科では、基礎的な研究で得られた成果を臨床に応用する研究(トランスレーショナルリサーチ)を行い、明日の患者様の診断・治療につながる有益な知見を創出するべく、日々研鑽しております。 トランスレーショナルリサーチとは、臨床研究と基礎研究の相互を橋渡し、実臨床につながる重要な研究で、明日の患者様のための研究です。現在、以下のような研究を行っています。

1.脂肪組織由来幹細胞を用いた膠原病の新規治療法の開発

脂肪組織由来幹細胞(AdSC)は、幹細胞が持つ再生作用以外に、抗炎症・免疫抑制作用・ホーミング作用(炎症や障害部位に集積する性質)を有しています。当科では強皮症や間質性肺炎のモデルマウスを用いて、AdSCを用いた新規治療法の開発を目指した研究を行っております。

代表的な研究成果:

  • Anti-inflammatory and anti-fibrotic effects of intravenous adipose-derived stem cell transplantation in a mouse model of bleomycin-induced interstitial pneumonia. Kotani T, et al. Sci Rep. 2017. Inpress.

2.質量分析の手法を用いた膠原病の新規バイオマーカーの探索研究

ノーベル賞を受賞した質量分析の手法を用いて、膠原病における新しいバイオマーカーの探索を行っております。

代表的な研究成果:

  • Serum Protein Profile of Rheumatoid Arthritis Treated with Anti-TNF Therapy (Infliximab). Takeuchi T, Nakanishi T, Tabushi Y, 他7名. Journal of Chromatography. B, Analytical Technologies in the Biomedical and Life Science. 855 (1): 66-70, 2007.

3.動脈硬化の性質を有する関節リウマチモデルマウスを用いた研究

関節リウマチでは、その炎症が原因となり、動脈硬化の発症率が高い事が問題となっております。動脈硬化を引き起こした関節リウマチモデルマウスを用いて、病態の解明・治療法の開発研究をおこなっております。