大阪医科薬科大学病院リウマチ膠原病内科

臨床研究

臨床研究について

臨床研究とは、患者様を対象にした研究のことです。 当科では現在通院していらっしゃる患者様にご協力頂き、以下のような研究を行っています。医学は日進月歩ですが、膠原病の原因・経過・治療・予後についてはまだまだわかっていなことがたくさんあります。私たちは研究でそれらを解明することにより、病気の予防やよりよい治療法などを患者様にご提供していきたいと思っております。


1. 観察研究

患者様の診療に対して、特別な介入や治療は行いません。通常の診療で得られたデータや検体を匿名化して分析を行います。患者様が不利益を受ける可能性はありませんが、アンケート記入などにお時間を頂く場合があります。

多施設共同研究
リウマチ膠原病患者の早期診断、病態解明、治療方針確立のための観察研究
RAコホート研究ANSWER
関節リウマチに対する生物学的製剤およびJAK阻害薬の治療効果に喫煙が及ぼす影響-関西多施設ANSWER コホートを用いた検討
妊娠とRAの実態調査
関節リウマチ合併間質性肺炎の予後指標の解析(他施設共同コホート研究)
RA-ILDに対するTacrolimus, Abataceptの有効性の検討
膠原病・リウマチ性疾患合併妊娠の妊娠中の管理状況、疾患活動性及び妊娠・分娩転帰・産後予後に関する多施設症例調査
PLEASURE―J研究
(我が国の若年全身性エリテマトーデス患者の現状と妊娠転帰を含む長期・短期予後に関する前向きコホート研究)
統合レジストリによる多発性筋炎/皮膚筋炎関連間質性肺疾患の個別化医療基盤の構築 (JAMI-3; 前向き)
統合レジストリによる多発性筋炎/皮膚筋炎関連間質性肺疾患の個別化医療基盤の構築 (JAMI-2; 後ろ向き)
間質性肺疾患合併多発性筋炎/皮膚筋炎患者を対象とした肺病変の進行を規定するバイオマーカー探索研究(主幹;長崎大学)
日本人を対象とした全身性強皮症患者(SSc)レジストリ(J-STAR)
MPA-ILDの予後因子の検討
PCPの予後不良因子に関するANSWERコホートを用いての検討
日本人での市販後ベリムマブ処方コホート及び LUNA レジストリコホート研究(MOONLIGHT 研究)
間質性肺炎先行型リウマチ膠原病疾患における早期診断のための多施設共同観察研究
全身性エリテマトーデス患者の末梢シングルセル情報を有したコホートによる妊娠合併症発症機序の解明と発症リスクの同定
抗リン脂質抗体症候群関連遺伝子に関する国際共同研究
当施設での研究
血清サイトカインの網羅的解析,肺病理を用いた顕微鏡的多発血管炎合併間質性肺炎の病態解明
EGPAに対するMepolizumabの有効性の検討
リウマチ膠原病疾患における肺病変の病態解明・早期診断のための観察研究
関節リウマチ患者へのイグラチモド追加投与下における生物学的製剤中止後の寛解維持率の検討

 

2. 介入研究

患者様の治療に介入(治療の変更や追加)を行い、その結果の分析を行います。医学的な安全性や患者様の病状に細心の配慮をはらって行います。効果が期待できる最新の治療を受けられる・通常よりも細やかな検査を受けられるメリットの一方で、予期せぬ副作用が起こる可能性もあります。ご参加をお伺いする際には、必ず個別の説明をいたしますのでご安心ください。

多施設共同研究
寛解・低疾患活動性を達成し分子標的薬を減薬した関節リウマチ患者における個別最適化された運動介入の身体機能の生活の質に与える効果の検証:ランダム化比較試験パイロット研究(AMED)
メトトレキサート(MTX)抵抗性関節リウマチ患者を対象としたウパダシチニブ+MTX併用による臨床的寛解達成および臨床的寛解達成後のMTX休薬における臨床的非再燃の維持を評価する多施設共同前向き試験
メトトレキサート抵抗性関節リウマチ患者を対象としたフィルゴチニブ単剤治療のトシリズマブ単剤治療に対する有用性の非劣性を検証する多施設共同ランダム化比較試験
ヒドロキシクロロキンによる抗SS-A抗体陽性女性の妊娠での先天性房室ブロックの再発抑制:多施設共同医師主導臨床試験 (J-PATCH)
当施設での研究
関節リウマチ患者における個別処方速歩トレーニングの効果検証
JAK阻害剤のIPへの効果

 

よくあるご質問

臨床研究は、患者にどのようなメリットがありますか?

  • 当院では大学という研究機関の使命のもと、臨床研究により新しい知見を報告しています。研究結果は英語論文やガイドラインという形で全世界の医師に報告されますが、公開までには時間がかかります。当院にご通院頂いている患者様には、最新の治療方針や検査手法をいち早く反映した診療を受けて頂くことができます。

介入研究にはだれでも参加できますか?

  • 試験によって対象となる病気の種類や年齢、治療歴などが細かく決まっていますので、誰でも参加できるというわけではありません。ご興味のある方は主治医までご相談ください。

臨床研究の同意は撤回できる?

  • 臨床研究はすべて患者様の同意のもとで行われております。同意撤回は自由にして頂いて構いませんので主治医までご連絡ください。また、すでに亡くなられている患者様が研究に参加して頂いていた場合も同様ですので、同意撤回の際はご家族様よりご連絡をお願いいたします。 研究参加を断った場合や研究参加の同意を撤回する場合に、その後の診療において患者様に不利益になることはありません。

 

オプトアウトについて

患者様の匿名の診療情報のみを用いて行う観察研究については、国が定めた倫理指針に基づき必ずしも対象のお一人ずつから直接同意を得るとはかぎりません。しかし研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、患者様が同意を撤回する機会を保障することが必要とされています。このような手法を「オプトアウト」といいます。研究のためにご自身の情報が使用されることを望まれない方は、主治医までお知らせください。

その他、不明な点などがありましたら主治医または受付にご連絡ください。