大阪医科薬科大学病院リウマチ膠原病内科

市民公開講座

市民公開講座

当科では皆様に関節リウマチなどの膠原病についてより身近に感じて知識を深めて頂くために、年に1回、市民公開講座を開催しております。

前回の市民公開講座

2019年10月6日、高槻市生涯学習センターで市民公開講座をおこないました。
2019年市民公開講座チラシ (PDF:1.3MB)

<講演内容>
●患者さん体験談「リウマチと歩んで」:布村 美都子さん
●よく分かる関節リウマチ:リウマチ膠原病内科 医師 斯波 秀行
●関節リウマチの体操 『リウマチ患者さんの関節を護って機能を維持する方法』:作業療法士 清水 和俊
●関節リウマチの最新治療について:リウマチ膠原病内科 医師 秦 健一郎


講演終了後に医療相談会と関節エコー体験会をおこないました。
たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。

前回までの市民公開講座で多かった質問は以下のQ&Aでお答えしています。

Q&A
温泉療法は有効ですか?
変形してしまってもう炎症が起きていない関節であれば、温泉で温めることが痛みに有効な場合があります。しかし、関節で炎症が起きているときは痛みが増す場合がありますのでご注意ください。
関節リウマチは遺伝しますか?
親子、兄弟ともに関節リウマチを発症する場合もありますが、その頻度は低く、遺伝する病気とはみなされていません。
血縁に関節リウマチの方がいらっしゃる場合はご心配もあると思いますが、関節の痛みや腫れなどの症状がでていないと関節リウマチと診断することができませんので、症状が現れた際、早めに受診していただくのがいいでしょう。
生物学的製剤とはどのようなものですか?
生物学的製剤とは、バイオテクノロジー技術によって開発された、生物の作るタンパク質をもとに製造される薬です。
関節の炎症や破壊を引き起こす免疫細胞や免疫物質に働きかけます。
現在、レミケード®(点滴)、エンブレル®(皮下注射)、ヒュミラ®(皮下注射)、アクテムラ®(点滴・皮下注射)、オレンシア®(点滴・皮下注射)、シンポニー®(皮下注射)、シムジア®(皮下注射)の7剤があります。
薬剤費用は3割負担の方で1か月あたり約2万円~10万円で、薬剤の種類や体重によって金額は変わります。
高額な治療になりますが、既存の内服薬だけでは病状が進行してしまう方にはとても有効な治療法です。
たとえば、リウマトレックス®のみを内服し6か月後に治療効果があった方が約30%に対して、リウマトレックス®と生物学的製剤Aを併用し6か月後に治療効果があった方は約65%と、生物学的製剤の効果が試験で示されています。(※パーセンテージについては比較試験なので、リウマトレックス®や生物学的製剤そのものの有効率を示したものではありません)
リウマチは整形外科と膠原病内科、どちらを受診するほうがいいのですか?
当院ではリウマチ患者さんは当科(リウマチ膠原病内科)に通院していただいておりますが、どちらでも結構です。整形外科は手術や関節注射ができ、一般的なクリニックであればリハビリテーションを行える施設も多いです。膠原病内科は間質性肺炎や他の膠原病を合併していても一緒に治療をすることができます。
ほかの病院で関節リウマチの治療を受けているが、今の状態を一度専門病院で診てもらいたい。
日本リウマチ学会が認定しているリウマチ専門医のいる病院を受診していただくのがいいでしょう。
リウマチ専門医名簿は日本リウマチ学科のホームページでご覧いただけますので参考になさってください。
http://www.ryumachi-jp.com/authorization/
当科でも、かかりつけの整形外科や内科からのご紹介で関節リウマチの病状評価を行っております。
現在かかられている病院で紹介状の作成をお願いし、その病院から当科の初診予約を取ってもらって下さい(採血やレントゲンなど詳細な検査結果等があると検査の重複を避けられます)。
当科は予約制で、紹介状がない場合は予約をお取りすることができません。

次回の市民公開講座予定

詳細が決まり次第お知らせいたします。