研修医・大学院生の声

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先輩レジデントからのコメント

リハビリテーション科医としてスキルアップ

私は防衛医科大学校を平成26年に卒業し、自衛隊医官として勤務しながら、令和3年春にリハビリテーション科専門医になりました。自衛隊医官は全国異動があるため、後期研修を複数の研修施設で行い、その一つが大阪医科薬科大学病院(以下、当院)です。
 当院リハビリテーション科では、主に急性期リハビリテーション医療を学びました。症例は脳血管疾患、運動器疾患を中心に多岐にわたり、専門医試験を受験するために充分な症例を経験することができました。また、脳性麻痺やポリオ後遺症・ポストポリオ症候群、脳血管障害後遺症などの患者さんの生活期の状態を外来で学び、ボツリヌス毒素療法の手技や、装具の処方と適合判定の知識、技術を会得できました。リハビリテーション科医には必須の手技・検査法である嚥下造影、嚥下内視鏡、電気生理学的検査、心肺運動負荷試験なども豊富に経験できます。約1年間の研修期間中に担当していた患者さんの治療経過を第54回日本リハビリテーション医学会学術集会(岡山)で発表できて非常に充実した、また、満足できる研修期間でした。私は、研修の途中で出産し育休を挟みましたが、当院リハビリテーション科には変則的な研修プログラムや妊娠・出産・育児といった女性のライフイベントにも柔軟に対応して貰えました。もとより、リハビリテーション科は性別や年齢を問わず、医師として、家庭人として、自分のライフプランに合わせて働くことができる診療科だと思いますが、特に当院リハビリテーション科は教員の先生方・先輩方の丁寧な指導もあってそのような環境が整っていると感じています。
 現在の職場では主に内科診療を行っていますが、生活習慣病などで受診される患者さんから、脳血管障害後遺症の麻痺や装具の状態などに関して相談を受けることもあり、リハビリテーション科医のニーズを感じています。
 これからも当院での研修も継続し、リハビリテーション科医としてスキルアップしていきたいと思います。

防衛医科大学校平成26年卒業:リハビリテーション科専門医
長尾 陽子

大学院生からのコメント

経験を重ねて疑問や課題を持ったからこその学び

 在宅での活動支援に興味をもったきっかけは、急性期・回復期の入院・外来でのリハビリテーション医療、施設・外来・訪問・通所といった生活期のリハビリテーション医療やマネジメントでの理学療法士業務でした。特に、脳卒中や関節リウマチ、神経変性疾患の患者を担当した多くの経験が、その思いを強くしました。介護支援専門員としての在宅支援への関わりは、リハビリテーション治療の成果や介護保険下でのリハビリテーションマネジメントの機能が必ずしも患者さんや対象となる方々の活動の向上や維持に繋がらないこと、指導や援助が却って行動や活動の制限となる可能性があること、動作の変化(Red Flag sign)に気づかれずに活動が低下していくこと、を課題あるいは問題と感じるようになりました。そのころ、新しくできる大阪医科大学大学院医学研究科修士課程への進学のお話を頂き、2020年に進学しました。進学後は経験を重ねて疑問や課題を持ったからこその深い学びがあり、医学・健康領域の横断的理解が得られているように思います。今後は、修士研究で行った、動作の良し悪しを判別するための手法についての基礎的な検討を引き続き進めるとともに、近年のリハビリテーション医学領域の変化や課題である、通院間隔の拡大、医療保険によるリハビリテーション治療供給の減少、生活期のリハビリテーション医療やマネジメントの多様化(介護保険や自費でのリハビリテーション治療、その他健康増進事業など)に対応できるようなリハビリテーション医学・医療への関わりや活動支援について研究成果を出し、社会に還元していきたいと考えています。

理学療法士:医科学専攻修士課程;令和3年度修了、博士課程;令和4年度入学
土井 博文