「巻き爪」とは爪が横方向に巻いている状態を言います。「陥入爪」とは爪の角がトゲのように皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態を言います。両者とも母趾に発生しやすく、陥入爪の症状として皮膚に食い込んでいる部分に痛みや腫れを伴い、場合によっては化膿してきたり歩きづらくなってきたりする事もあります。
原因として以下のようなものが考えられます。
治療法に関しては保存的なものから手術に至るまでさまざまな方法があります。
症状が軽度であれば、ピンセットで爪の角にコットンを詰めると、爪が皮膚に食い込むのを抑える事ができます。
(1) 超弾性ワイヤーを用いる方法
超弾性ワイヤーと呼ばれる、特殊な合金でできた強い弾力性のある針金を利用します。爪の先端の左右に小さな穴を開けて、超弾性ワイヤーを取り付けます。爪の両端は皮膚に食い込もうとしますが、このワイヤーが弾力で爪の両端を上の方に引っ張り上げ爪の変形を治します。
(2) 形状記憶合金プレートを用いる方法
形状記憶合金プレートと呼ばれる、特殊な合金でできた金属板を爪に貼り付けます。毎日ドライヤーを用いて温める事でこの金属板を平らにして爪を矯正します。
(3) VHO法(巻き爪のみ)
金属製ワイヤーを爪の両端に引っ掛けた後、爪の中央部で別のワイヤーを通して少しずつ締め上げ爪を矯正します。
局所麻酔を行った後、爪の辺縁を切除し爪の根元を削り取る事で、その部分に爪が生えないようにします。
ただし、巻き爪・陥入爪の程度によって治療法が異なってきますので、実際に診察してその人に合った最適な治療法を提供します。上記に述べた症状を認めるようであれば、一度受診される事をお勧めします。
<超弾性ワイヤーを用いる方法>
<VHO法>