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頭蓋骨縫合早期癒合症

頭蓋骨縫合早期癒合症とは

頭蓋骨縫合早期癒合症、人間の脳は生まれて一年間急速に発達します。その後も4-5歳までは急なカーブで発達し、成人までは緩やかなカーブで大きくなります。この脳の発達とちょうど合うように頭蓋骨は、頭蓋骨縫合という、リアス式海岸のような骨のゆるい接合部分で新しい骨が新生しつつ、拡大して行きます。縫合は頭蓋骨の成長が終わるまで通常は閉じません。縫合が早期に生まれてすぐ閉じてしまいますと、その部分では頭蓋骨、脳の拡大ができません。放置しますと頭蓋骨は拡大できる方向を探して拡大しますので、どんどん頭蓋変形が進んで行きます。閉鎖する縫合が複数の場合はより複雑な頭蓋変形をおこします。脳が圧迫される症状(頭蓋内圧亢進)は放置できません。放置しますと、 IQの低下あど脳の機能障害を起こします。手術は以上の理由で、1歳以下で行うことが、脳の機能上もまた手術の結果からも好ましいことがわかっております。手術方法は、閉鎖する縫合の数、部位によりバリエーションがあります。手術の目標は、脳の機能を最大限に保つことができ、かつ社会生活上支障のない頭蓋顔面の形態を保つことにあります。頭蓋骨を取り出し、骨組みを作り変えるリモデリングは、重要なテクニックです。最近導入された骨延長法は頭蓋容積の拡大に効果がある方法ですが、複雑な変形にはやや不向きな方法ですので、変形に応じてこの二つのテクニックを組み合わせることが重要です。できるだけ早い時期に対処始めることが、非常に重要な疾患ですので、気になったらすぐに専門家の診察を受けることが薦められます。

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