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唇裂

唇裂とは

生まれつき上くちびるにくびれがある状態のことを言いますが、赤口唇に少しだけくびれがある患児(不全唇裂)から、鼻の中までくびれている患児(完全唇裂)まで様々です。また、それと並列して鼻の変形(外鼻変形)があったり、歯ぐき(顎裂)、上あご(口蓋裂)もくびれている患児もおられます。くびれも上唇に一つのみ(片側唇裂)の場合と、二つ(両側唇裂)有る場合があります。成長に合わせて、その程度および病態にあうように治療を進めていくことが重要です。

手術はどうするのか?

唇裂初回手術

当施設では、ミルクを飲むことをたすけることを目的として、安全に全身麻酔がおこなえる生後3カ月目に行います。ミルクを飲むためには唇を動かすことが重要となってきますので、見た目のくびれを治すのみならず、くびれの部分で断裂している口を動かす筋肉(口輪筋)をつなげ治す必要があります。方法はMillard法+小三角弁法で上口唇の形態も運動も自然になることをめざしています。約一週間の入院となります。

口蓋裂手術

上顎は話をすることや物を飲み込む時に非常に重要です。発語し始める時期は言葉をたくさん覚える時期でもあります。その時期には、自分が喋っていることを聞いてその音を覚えます。よって、間違った発音をしていると、間違った発音で覚えてしまうということになります。よって、発語し始める時期である1歳半ころに手術を行います。約一週間の入院となります。

唇裂外鼻手術

4-6歳ころに行います。唇裂のある子供は小鼻(鼻翼)がひしゃげて(扁平化)おり鼻の穴(鼻孔)がせまくなっている(狭小化)ことが多いです。方法は当科を開設した前 田嶋教授が考えだしたreverse U切開からアプローチします。唇裂の初回手術で、鼻の形態を維持する筋肉を矯正されていますが、鼻の軟骨と皮膚の位置関係はずれた状態のまま残っています。そこで、軟骨と皮膚のズレた位置関係を本来の位置に戻します。約10日の入院となります。

顎裂部腸骨移植術

はぐきにもくびれがあることもあります。歯ぐきが割れていると、土台である骨がない状態ですので、そのくびれに歯が生えてくることができません。また歯科矯正もうまく進みません。特にくびれができる位置は、犬歯が生えてくる位置です。そこで、丁度犬歯が生えてくり時期である8〜9歳前後に手術を行います。手術法は、歯ぐきのくびれに腰骨から髄質骨を取ってきて移植するというものです。入院期間は約一週間です。

言語療法

週一回言語療法士が外来で言語訓練を行っています。

矯正

一般矯正歯科医師と組んで行っています。

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