『再発高悪性度髄膜腫』医師主導治験のご案内(※受付終了しました)

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治験名

再発高悪性度髄膜腫 (WHO グレード2,3)患者を対象としたSPM-011・BNCT30を用いたホウ素中性子捕捉療法治療(BNCT)の臨床効果に関する第II相臨床試験
※受付終了しました

治験の対象となる疾患

再発高悪性度髄膜腫 (WHO グレード2,3)

再発高悪性度髄膜腫患者さんのうち、選択基準を満たし、除外基準のいずれにも抵触しない日本人の患者さん

詳しい内容はこちらをご覧ください

治験の概略(ランダム化比較試験)

本治験は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究費で行う医師主導治験です。本治験の目的は中性子発生小型加速器”BNCT30”と新規ホウ素製剤”SPM-011”の組み合わせによるBNCTが再発高悪性度髄膜腫の治療に有効かどうかを科学的に検証することです。治験に参加いただく患者さんはMRI等の画像診断等のため最長3年程度定期通院、経過観察にご協力いただきます。

ランダム化比較試験について

この治験に参加をご希望になられた方は、上の「試験治療群12例」もしくは「比較対照群6例」に振り分けられます。およそ30%の方は「比較対照群」として、はじめからはBNCTを受けられない群に割り付けられる可能性があります。その場合、評価基準に照らして、画像上の増悪が認められ、患者さんのご希望があり、BNCT実施における基準を満たしていれば、BNCTを受けていただけます。

患者さんの募集期間

2019年8月 ~ 2021年9月末
※受付終了しました

高悪性度髄膜腫について

髄膜腫の多くは、境界が明瞭な腫瘤を形成し、硬膜内側に強固に付着していますが、時には頭蓋骨や皮膚に浸潤(腫瘍が周りの正常組織に広がっていき、水がしみ込んでいくように、次第に腫瘍が周囲に入りこんでいくこと)することがあります。
また悪性度は、WHO グレード1,2,3の3段階に分類されています。およそ80%は良性(WHO グレード1)ですが、異型性を示すWHO グレード2,3では再発率が高く、WHO グレード 2,3が高悪性度髄膜腫とされ、グレード 3のうち退形成性髄膜腫が悪性髄膜腫と呼ばれます。
高悪性度髄膜腫は脳への浸潤のほか、脳血管への癒着浸潤,頭蓋骨,筋軟部組織,頭皮に深く浸潤し再発を繰り返します。また隣接する硬膜などの腫瘍が、原発巣(最初に発現した部位)の近くの組織の再発のみならず,硬膜下腔への広範な転移や髄液(脳や脊髄にある液体)を介して播種性(種をまくように散在すること)に転移したり、もしくは肺などへの他臓器転移も生じることがあります。
以上のように再発や転移を起こしやすい、治りにくい腫瘍のひとつです。

BNCTについて

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は中性子とそれに反応しやすいホウ素との反応を利用して、正常細胞にあまり損傷を与えず、腫瘍細胞を選択的に破壊する治療法です。腫瘍細胞と正常細胞が混在している悪性度の高い脳腫瘍をはじめとするがんに特に効果的であると考えられ、正常組織に対する影響が少ないことから、治療後の生活の質に悪影響を及ぼしにくい治療法と考えられています。これまでも国内外で臨床研究が行われ、国内では中性子を発生させる加速器とホウ素薬剤の製造販売承認を得るために悪性神経膠腫や頭頚部がんを対象とした治験を実施していますが、現時点では国からは承認を受けていない治療法です。

高悪性度髄膜腫に対する原子炉からの中性子を用いた治療例は下記論文に発表しておりますので、ご参照ください。

お問い合わせ先

治験調整医師 
大阪医科薬科大学 関西BNCT共同医療センター
宮武伸一
TEL: 072-683-1221(内線2543)
FAX: 072-684-7053
Email: neu070@osaka-med.ac.jp