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研究・プロジェクト

口腔カンジダ症(赤いカンジダ症)に関する臨床的研究

 口腔カンジダ症は古くから急性偽膜性カンジダ症(鵞口瘡)としてよく知られており、口腔粘膜に易脱落性の白苔を伴った白色病変の一つとされてきた。しかし我々は2004年から細胞診迅速染色液(Cyto Quick)を用いて病変部の標本からカンジダの仮性菌糸を証明することにより、臨床においては白い口腔カンジダ症よりもカンジダ舌炎、カンジダ性口唇・口角炎、義歯性カンジダ症、カンジダ関連口腔潰瘍などの赤い口腔カンジダ症が多いことを明らかにし、その診断方法や治療法について検討してきた。また、舌痛に関してその原因として最も考えられる口腔カン ジダ症と舌痛症(口腔心身症)の鑑別方法についても新たな方法を考案して臨床にフィードバックしている。現在は赤いカンジダ症の発症メカニズムに関して唾液の抗菌タンパク分析など基礎的な研究を含めて検討している。

多様な赤い口腔カンジダ症

萎縮性カンジダ舌炎

 舌の糸状乳頭は萎縮し全体的に赤く見える。また軽度の口角炎も併発しており、いずれも口腔カンジダ症の所見を呈している。自覚的には食事に際して熱いものや刺激物が沁みて痛い。

カンジダ関連慢性潰瘍

 1か月以上持続する潰瘍で接触痛が強度であるが扁平上皮癌のような硬結はなく、比較的経過が長い割に進行性、浸潤性は認めない。

義歯性カンジダ症

 義歯内面に対応する粘膜が赤くただれており、義歯をいくら調整しても

正中菱形舌炎

 これも慢性口腔カンジダ症の1型である。

口角炎

 難治性の口角炎もカンジダ関連疾患の1型であり、通常の口内炎に用いるステロイド軟膏を塗布すると余計に慢性化する。

Candida albicansの仮性菌糸

 細胞診迅速染色液(Cyto Quick)
にて患部の標本を染色し、この仮性菌糸が証明されると、カンジダによる感染と診断される。

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