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研究・プロジェクト

ビスフォスフォネート関連骨壊死に関する研究

 骨吸収抑制剤は,骨粗鬆症,多発性骨髄腫や悪性腫瘍転移に極めて有益な薬剤です.一方,2003年に米国でビスホスホネート系薬剤投与中の患者様に生じた骨露出を伴う難治性の骨壊死の症例が報告されました.以降,その病因の究明,治療法,予防法などについてさまざまな検討がなされていますが,未だにその治療法は確立されていないのが現状です.
当教室においては,本疾患の適切な治療法,予防法を究明すべく,臨床的な研究を行っています.
 米国ならびに本邦におけるポジションペーパーにおいては,保存的な治療が推奨されています.当教室においては,骨壊死を発病していない患者様に対して,処方医と綿密に連携し,積極的に口腔ケアを行う中で,口腔ケアの方法ならびにその有用性について臨床的に検討しています.一方,発症した患者様に対しては,保存的治療を基本に治療を行っていますが,保存的治療に抵抗性の症例も多く,かかる症例に対しては,外科的治療を含め新たな治療が必要であると考えています.外科療法を施行する際には,どこまで骨を削合するかが問題となります.当教室においては,X線CT,MRIなどの画像を用いて,手術をナビゲートする方法に関して研究を行っています.

ビスフォスフォネート関連骨壊死に関する研究
前立腺癌転移にてゾレドロン酸の投与を受けていた.
ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(ステージ1)の診断下に局所麻酔下にて腐骨の削合を行った.
ビスフォスフォネート関連骨壊死に関する研究
術後,1か月,自覚症状はなく,骨露出は認められない.
ビスフォスフォネート関連骨壊死に関する研究
乳癌骨転移にてゾレドロン酸の投与を受けていた.歯の自然脱落を認め,当科を受診した.
口腔ケア,骨の鋭縁部の削除,抗菌剤の投与を行った.
ビスフォスフォネート関連骨壊死に関する研究
当科にての治療開始6か月後,疼痛を含めた自覚症状ならびに排膿はほぼ消失した.
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