「水頭症」専門診療のご案内

水頭症として、正常圧水頭症、二次性水頭症に対する治療を行っております。
正常圧水頭症では、体格に基づいた確実な圧設定法の開発や、腰椎透視による合併症の少ない腰椎腹腔シャント術など低侵襲手術で水頭症治療でも世界的にリードしてきました。また、リハビリ科と共同診療により正常圧水頭症の早期発見・早期治療を実現することが可能となりました。これにより水頭症による認知症などの後遺症を最小限にすることが出来ます。その他、症例に応じて神経内視鏡による水頭症の手術にも積極的に取り組んでいます。治療方針などお困りでありましたらいつでもご相談ください。

当科は、全国屈指の正常圧水頭症の手術件数リンク②※検索サイトから傷病名を水頭症に変えると検索できます)を誇っています。 研究開発面でも、「体格に基づいた確実な圧設定法の開発(論文①論文②論文③論文④)」、「イメージガイドによる合併症のない腰椎腹腔シャント術の開発(論文)」、「超早期の診断・治療システムの確立(論文①論文②)」、「体重変動によるシャント機能不全の発見と対策(論文)」などの多くのエビデンスを創出し、世界的にリードしています。
正常圧水頭症は、進行性の疾患です。発見が遅れるほど、重度の後遺症が残ります。逆に、早期診断治療により後遺症は軽くなります(論文)。更に、リハビリ科との共同診療により正常圧水頭症の超早期発見・治療が可能となりました。これにより認知症などの後遺症の問題は克服されつつあります(論文①論文②)。

以下に当科における正常圧水頭症治療の特徴を列挙します。術前診断から、手術治療、術後フォローに至るまでの全診療過程で多くのノウハウが蓄積されており、最先端の治療を患者様に提供できます。

  1. イメージガイド(レントゲン透視と腹部エコー)による超低侵襲かつ正確な腰椎腹腔シャント術(論文
  2. 精密な術前シミュレーションにより、ほぼ100%の患者様で脳損傷を回避した腰椎腹腔シャント術が可能
  3. 低侵襲手術が実現する短期入院(3泊4日)、低出血量(10ml未満)、小切開(3~4cm)、抜糸不要
  4. 手術の高い品質管理による術後創感染の予防
  5. 精緻なタップテストや定量的画像診断による超早期診断システムの確立(論文①論文②論文③
  6. 従来のタップテストの感受性が60%(論文)、DESHサインの感受性は31%(論文)と、画像診断とタップテスト診断での診断精度は低いため診断の見逃しが起こり得ます。しかし、当科の改良された診断システムにより多くの患者様の見逃しが回避可能になりました。(論文①論文②
  7. 脳血流や海馬容積など、複数指標の評価による併存する認知症の診断と術後ケア
  8. 体格に基づいた科学的なバルブ圧設定法による術後早期の症状回復(論文①論文②論文③論文④
  9. 術後のバランスリハビリの指導や、認知と歩行機能評価によるきめ細かな術後の外来フォロー
  10. 術後フォロー時での症状増悪に対する適切な診断治療システムの確立(論文①論文②
  11. 術後リハビリ(介護保険による)や社会参加を促すことによる、高い生活の質(QOL)の達成(論文

診療案内

研究案内

対象疾患

  1. 正常圧水頭症
    MSE 術前22/30点 →術後2年 27/30点
    FAB 術前 8/18点 →術後2年 12/18点
    正常圧水頭症
  2. 二次性水頭症

関連学会