Q&A

めまいQ&A 質問

Q.めまいって?

Q.外来受診のときに必要な情報は?

Q.外来受診したらどんな検査を受けるのでしょうか?

Q.脳神経外科で診ているめまいにはどのような病気が含まれますか?

頭痛Q&A 質問

Q.命にかかわりのある悪い頭痛とはどのようなものですか?

Q.不眠、肩こりと頭痛の関係について教えてください。

Q.頭痛で病院にかかると、どの様な検査をされますか?

痙攣Q&A 質問

Q.痙攣(けいれん)発作って?

Q.外来受診のときに必要な情報は?

Q.外来受診したらどんな検査を受けるのでしょうか?

Q.脳神経外科で診ている痙攣にはどのような病気が含まれますか?

Q.アニメやテレビゲームで痙攣がおきるのですか?

意識障害Q&A 質問

Q.意識障害をきたしたときの応急処置は?

Q.意識障害の原因としてはどの様な疾患がありますか?

 


めまいQ&A 答え

Q.めまいって?

A.めまいは「空間における身体に関する見当識障害の自覚」「外界を正しく認知できない時の感覚や失調動作」などと定義されるのですが、めまい感の表現は人によってかなり差異があります。めまいは、一過性(一時的)なことや原因も不明のことが多いのですが、めまいに対する対症療法や原疾患への治療を必要とすることもあります。初めてめまいの発作が生じた場合は,脳神経外科を受診し、CTやMRIなど精密検査を受けることをお勧めします。

Q.外来受診のときに必要な情報は?

A. 1. どういう性質ものか? 2. 随伴症状があるか?

めまいは大きく分けて、回転性めまい(Vertigo)と浮動性めまい(Dizziness)にわけられます。いわゆる、目が回る・くるくるまわるといった感じのめまいが回転性のめまいで、フワフワする・立ちくらみがするが浮動性めまいとです。

性質:めまいが起こる誘因(例えば、頭を傾けたとき・うつむいたとき)、その程度・経過(時間経てば収まるのか・どんどん悪化くなっていくのか)、その持続時間はどうか…などです。 随伴症状:歩けるのかどうか、耳はちゃんと聞こえているのかどうか。

Q.外来受診したらどんな検査を受けるのでしょうか?

A.脳神経外科外来では脳外科的治療を必要とする脳の器質的異常(脳腫瘍や脳血管障害)を診断するため主な検査は画像診断です。具体的には頭部CTスキャンもしくはMRIということになります.MRIを使用して脳の血管の状態も検査することができます。また、これらの検査によって器質的異常が発見されなかった場合、他の検査は関連する他科を受診したうえですすめていくことになるでしょう。

Q.脳神経外科で診ているめまいにはどのような病気が含まれますか?

① 椎骨脳底動脈循環不全症、 小脳梗塞・脳幹梗塞

主として脳幹、小脳を栄養する血管(椎骨動脈、脳底動脈)の血流がわるく(虚血)なったり、不安定(血圧の異常変動)になっておこる症状を呈する場合に、総称的に椎骨脳底動脈循環不全症の病名がつけられます。症状は平衡感覚異常(めまい、ふらつき、浮動感)、悪心・嘔吐、視覚関連症状などで、多くは一過性(一時的)ですが、反復したり脳梗塞に進展することも稀ではありません。

原因は、主として動脈硬化、稀に動脈壁解離などの血管自体の病変に伴う閉塞や狭窄です。特に高齢者のめまい(回転性、非回転性)では一番多いものです。椎骨動脈や脳底動脈の本幹が閉塞したり、極端に狭くなって、CTやMRIで梗塞が明瞭に描出された場合は、梗塞巣の部位によって脳幹梗塞や小脳梗塞の病名がつけられます。めまいなどの椎骨脳底動脈循環不全症の症状に加えて、梗塞の部位に関連して、上下肢の運動麻痺(錐体路)や感覚障害(内側毛帯、脊髄神経路)、視機能障害(複視、視野異常)、四肢や体幹の運動失調、多発性脳神経麻痺(眼球運動麻痺、顔や口周囲のしびれ、嚥下困難、難聴など)などの神経症状が合併します。梗塞の範囲が大きくなると、症状も重篤で、昏睡状態、呼吸麻痺となって急死されることも決して稀ではありません。

椎骨脳底動脈領域の循環不全症や脳梗塞は、まずは保存的(内科的)に加療します。時に、血管内手術による血栓溶解術、減圧開頭手術、脳室ドレナージ(穿頭術)が適応となります。

② 小脳出血、脳幹出血

脳出血の部位や範囲はいずれもCTで明瞭に描出されます。小脳出血は、激しい頭痛、めまい、悪心・嘔吐、起立・歩行不能、出血側の上下肢失調などが主症状です。片麻痺は通常みられません。出血(血腫)の大きさが径3cmを越える場合には血腫除去術が適応となります。脳幹出血は、急速な意識消失、四肢麻痺、脳神経麻痺が主症状です。意識を失っていない軽症の方では、悪心・嘔吐を訴えます。保存的(内科的)加療が原則です。

③ 脳腫瘍など

めまいを呈する脳腫瘍は、小脳橋角部腫瘍(前庭神経鞘腫、髄膜腫、類上皮腫)、小脳腫瘍(星細胞腫、血管芽腫 、転移性腫瘍、悪性リンパ腫)、脳幹腫瘍(星細胞腫、悪性神経膠腫)、脳室内腫瘍、天幕上腫瘍などがあります。

その他、血管奇形(脳動静脈奇形、海綿状血管腫、静脈奇形)や膿瘍(小脳、脳幹)などがあります。いずれもCTやMRIで診断されます。治療は腫瘍摘出術を主体とし、放射線療法、化学療法、免疫療法などを組み合わせます。

④ メニエール病、良性発作性頭位めまい症など

メニエール病は、発作性の激しい回転性めまい、耳閉・難聴、耳鳴の反復を特徴とする耳鼻科領域疾患です。病態は内耳の内リンパ水腫なのですが、病因は不明ながら最近では自己免疫疾患とか典型的な心身症と考えられています。

片側のことも両側のこともあります。めまい発作は数時間~1日程度持続します。難聴、耳鳴は初期には適切な治療で軽快することが多いのですが、発作が反復して不可逆的になることも少なくありません。

良性発作性頭位めまい症は、内耳の部分的な障害が原因とされ、内耳の働きが異常に敏感になっているか、半規管の中で遊離した耳石が動くことが原因ともされています。特定の頭位で誘発される回転性めまいと眼振を特徴とし、メニエールと違って、難聴・耳鳴はありません。その他、めまいを伴う耳鼻科領域疾患として、前庭神経炎、内耳炎、中耳炎、突発性難聴、ハント症候群、耳毒性薬物(ストマイ・カナマイ中毒)、内耳梅毒、中耳真珠腫、外傷(側頭骨骨折)、などがあります。

⑤ めまいをきたしうる他の疾患

頭部外傷、鞭打ち損傷や頸椎捻挫、頭部外傷後遺症、緊張型頭痛、一過性脳虚血発作、側頭-頭頂葉梗塞・出血、血圧異常(高血圧症、低血圧症)、起立性調節障害(起立性低血圧症)、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、自律神経障害、進行性自律神経機能不全症、家族性アミロイド多発ニューロパチー、びまん性 Lewy 小体病、うつ病、老年うつ状態、肩こり、心身症、高脂血症、クモ膜下出血 、ヘルペス感染、神経血管圧迫症候群、鎖骨下動脈盗血現象(左上肢運動に伴うめまい)、Powers 症候群、Barre-Lieou 症候群、てんかん、血液疾患(貧血、多血症)、糖尿病などでめまいを呈することがあります。

頭痛Q&A 答え

Q.命にかかわりのある悪い頭痛とはどのようなものですか?

A.頭痛は、誰もが経験する一般的な症状であり、その原因も命に関わるものから全く心配の無いものまで様々です。この様々な頭痛の原因は、良いものと悪いものの二つに分けることが出来ます。

① 悪い頭痛

脳の病気が原因で、クモ膜下出血や脳腫瘍など適切に治療しないと命に関わる頭痛です。

② 良い頭痛

脳以外に原因があり、通常命に関わることはありません。緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛などがあります。また、目や鼻あるいは顎が原因となる頭痛やかぜや二日酔いに伴うものも含まれます。

患者さん自身が、良い頭痛か悪い頭痛かを的確に判断ずることは困難です。しかし、今まで経験したことの無いような激しい頭痛が突然生じたり、頭痛が長期間続き徐々に悪化したりするようであれば、悪い頭痛である可能性がありますので脳神経外科などの病院にかかられることをお勧めします。

Q.不眠、肩こりと頭痛の関係について教えてください。

A. 頭痛の中で最も多いものが「緊張型頭痛」とよばれるものです。これは、後頭部や首すじが主に痛み、前頭部や目の奥、あるいは頭全体に鉢巻状にひろがることもあります。精神的なストレスが引き金となり、後頭部を中心とした筋肉が持続的に収縮することで頭痛となります。後頭部の筋肉は肩の筋肉とつながっており、肩こりを伴いがちです。
また、精神的なストレスは、不眠症を引き起こしていることもよくあります。従いまして、肩こりや不眠症を伴っていると「緊張型頭痛」の可能性が大きいと言えます。しかし、脳腫瘍の初期症状と紛らわしい場合もありますので、安心のため専門医を受診されると良いでしょう。

Q.頭痛で病院にかかると、どの様な検査をされますか?

A.頭痛を良い頭痛なのか悪い頭痛なのかをまず鑑別する必要があります。特に悪い頭痛の代表である、クモ膜下出血、脳腫瘍かどうかを知る必要があります。頭痛の性状と通常の診察(神経学的診察)によって大体鑑別は出来ますが、念のためCTスキャンを行います。同様の検査としてはMRIもありますが出血の検出能力はCTの方が勝っています。

痙攣Q&A 答え

Q.痙攣(けいれん)発作って?

A.全身または局所に生じる急激で不随意な筋収縮を痙攣と呼びます。原因によって真性てんかん、症候性痙攣、心因性痙攣などに分けられ、神経系特に脳の器質的ないし機能的異常によって生じますが、痙攣発作の原因としては全身性の内科的疾患によるものもまれではありません。

痙攣は発作性に生じ、軽いものであれば数秒で元の状態に戻るため受診されない場合もあるようです。しかし、たった一回の軽い痙攣発作がきっかけで脳腫瘍などが見つかる場合もあり、初めて発作が生じた場合は一度は脳神経外科を受診し、CTやMRIなど検査を受けることをお勧めします。

Q.外来受診のときに必要な情報は?

A.まず発作時の症状をできるだけくわしく把握してください。

① 発作があったときの状況

② 全身か手(または足)だけか、発作の始まりは部分的だったか(できれば左右も)

③ 痙攣の持続時間

④ 意識を失ったか

⑤ 発作のあと麻痺や言語障害が残ったか

⑥ 頭痛、発熱の有無

⑦ 脳機能の画像診断・脳機能マッピング

⑧ 脳腫瘍の免疫組織学的検討

それから、今までに、てんかん、高血圧、糖尿病、腎炎、心弁膜症、頭部外傷、開頭手術、脳血管障害の既往症があるか。また、現在内服しているいるお薬があればその内容、などが診断の手がかりとなります。

Q.外来受診したらどんな検査を受けるのでしょうか?

A.痙攣の鑑別に必要な検査には以下のようなものがあります。  

① 一般検査:検尿、検便、血算、血沈、血液生化学(肝機能、腎機能、電解質、血糖)

② 呼吸機能、血液ガス、胸部X線

③ 梅毒血清反応、ウイルス、免疫学的検査

④ 心電図

⑤ 眼底検査、頭蓋X線、頭部CTスキャン、脳血管撮影、MRI

⑥ 髄液検査

⑦ 脳波

⑧ 心理テスト

ただ、これらの検査をすべて受けていただく必要はなく、脳神経外科外来では脳外科的治療を必要とする脳の器質的異常(脳腫瘍や脳血管障害)を診断するため主な検査は画像診断です。検査は通院で行えるものが多いですが、脳血管造影(カテ-テル検査)など一部入院していただかないとできない検査もあります。
また、これらの検査によって器質的異常が発見されなかった場合、他の検査は関連する他科を受診したうえですすめていくことになるでしょう。画像診断に関しては"脳の検査について"を参考にして下さい。

Q.脳神経外科で診ている痙攣にはどのような病気が含まれますか?

A.いわゆる器質性脳疾患に伴う痙攣に以下のようなものがあります。

① 脳腫瘍

原発性、転移性にかかわらず痙攣発作をきたすおそれがあります。

② 脳血管障害

脳出血では急性期、脳梗塞では発病6か月前後に発病することが多いようです。くも膜下出血では数年経ってから発病することもります。

③ 頭部外傷

急性期には診断は簡単ですが、数年以上経て初発することもあり、この場合は痙攣発作と外傷の既往は因果関係が不詳となり、外傷以外の原因を検索する必要があるでしょう。
他、各種脳外科疾患の手術後など痙攣発作はこのように原因が多岐にわたるため、同じ痙攣発作でも神経内科や精神神経科、小児科などかかりつける診療科も様々です。原因が以下のような場合はそれぞれの専門科にかかりつけることになるでしょう。

④ 脳感染症

脳炎か髄膜炎によるものが大半で、日本脳炎、ヘルペス、麻疹などに注意が必要です。(真性)てんかん

⑤ 電解質異常

頭部外傷、鞭打ち損傷や頸椎捻挫、頭部外傷後遺症、緊張型頭痛、一過性脳虚血発作、側頭-頭頂葉梗塞・出血、血圧異常(高血圧症、低血圧症)、起立性調節障害(起立性低血圧症)、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、自律神経障害、進行性自律神経機能不全症、家族性アミロイド多発ニューロパチー、びまん性 Lewy 小体病、うつ病、老年うつ状態、肩こり、心身症、高脂血症、クモ膜下出血 、ヘルペス感染、神経血管圧迫症候群、鎖骨下動脈盗血現象(左上肢運動に伴うめまい)、Powers 症候群、Barre-Lieou 症候群、てんかん、血液疾患(貧血、多血症)、糖尿病などでめまいを呈することがあります。

⑥ 低血糖

頭部外傷、鞭打ち損傷や頸椎捻挫、頭部外傷後遺症、緊張型頭痛、一過性脳虚血発作、側頭-頭頂葉梗塞・出血、血圧異常(高血圧症、低血圧症)、起立性調節障害(起立性低血圧症)、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、自律神経障害、進行性自律神経機能不全症、家族性アミロイド多発ニューロパチー、びまん性 Lewy 小体病、うつ病、老年うつ状態、肩こり、心身症、高脂血症、クモ膜下出血 、ヘルペス感染、神経血管圧迫症候群、鎖骨下動脈盗血現象(左上肢運動に伴うめまい)、Powers 症候群、Barre-Lieou 症候群、てんかん、血液疾患(貧血、多血症)、糖尿病などでめまいを呈することがあります。

⑦ アダムス・ストークス症候群

頭部外傷、鞭打ち損傷や頸椎捻挫、頭部外傷後遺症、緊張型頭痛、一過性脳虚血発作、側頭-頭頂葉梗塞・出血、血圧異常(高血圧症、低血圧症)、起立性調節障害(起立性低血圧症)、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、自律神経障害、進行性自律神経機能不全症、家族性アミロイド多発ニューロパチー、びまん性 Lewy 小体病、うつ病、老年うつ状態、肩こり、心身症、高脂血症、クモ膜下出血 、ヘルペス感染、神経血管圧迫症候群、鎖骨下動脈盗血現象(左上肢運動に伴うめまい)、Powers 症候群、Barre-Lieou 症候群、てんかん、血液疾患(貧血、多血症)、糖尿病などでめまいを呈することがあります。

⑧ 電解質異常

頭部外傷、鞭打ち損傷や頸椎捻挫、頭部外傷後遺症、緊張型頭痛、一過性脳虚血発作、側頭-頭頂葉梗塞・出血、血圧異常(高血圧症、低血圧症)、起立性調節障害(起立性低血圧症)、多発性硬化症、脊髄小脳変性症、自律神経障害、進行性自律神経機能不全症、家族性アミロイド多発ニューロパチー、びまん性 Lewy 小体病、うつ病、老年うつ状態、肩こり、心身症、高脂血症、クモ膜下出血 、ヘルペス感染、神経血管圧迫症候群、鎖骨下動脈盗血現象(左上肢運動に伴うめまい)、Powers 症候群、Barre-Lieou 症候群、てんかん、血液疾患(貧血、多血症)、糖尿病などでめまいを呈することがあります。

Q.アニメやテレビゲームで痙攣がおきるのですか?

A.ポケットモンスター(ポケモン)というアニメを見ていた子供たちに全身痙攣発作が生じた事件が全国的に多発したことは記憶に新しいかと思います。てんかん症候群のひとつに「状況関連発作(機会けいれん)」というものがあり、「てんかん素因のある人が、ある特殊な状況下においてのみ発作を生ずるてんかん関連病態。」と定義されています。具体的には、

① 乳幼児の発熱時に痙攣を生ずる「熱性けいれん」

② 重症妊娠中毒時の「子癇発作」

③ アルコール依存者が急激に断酒したさいに生ずる
  「アルコール離脱けいれん」

等があてはまります。
その一つとして、間歇光刺激下において光過敏性のある人に痙攣発作を生ずる「光誘発性けいれん」があります。以前より「テレビゲームてんかん」とか、話題にはなっていましたが、これだけ多くの症例が一度に発生した例はめずらしいことです。このポケモン痙攣は「機会けいれん」の「光誘発性けいれん」にあてはまり、周波数や色など誘発しやすい特殊な条件(間歇光刺激)がそろい、人気アニメであるポケモンの視聴率が非常に高かったことから全国的に一斉にまたかなりのお子様に発生したのでしょう。

てんかんは100人に1人は生ずる稀ではない病気ですし、「機会けいれん」を含めば、生涯に一度は発作を生じる確率は20%を越える、と言われています。
したがって全てのアニメやテレビゲームが痙攣を誘発するわけでもなく、生涯にわたって"てんかん"になるわけではないのです。
予防法としては"部屋を明るくして、離れて見てね"ということになり、見過ぎ・やりすぎに注意いただく他ないでしょう。

意識障害Q&A 答え

Q.意識障害をきたしたときの応急処置は?

A.意識障害の程度にもよりますが、重篤で昏睡状態に近い場合には、救急処置のABCが必要となります。すなわち、A(airway:気道確保)、B(breathing:呼吸)、 C(circulation:循環)です。気道が保たれ、呼吸ができているか、脈拍を触れるか、顔面・四肢にチアノーゼがないか(血色は良好か)などのチェックを行ってください。

嘔吐や、痙攣発作が同時に認められる場合は、体全体、または頭部を横に向けることにより、窒息や吐物誤嚥の危険を減らすことができます。

次に、意識障害の重篤度をチェックします。呼びかけに対して開眼し、応答があるかどうか、名前が言えるか、"手を握る"などの簡単な命令に応じることができるかを評価します。これにより言語障害の有無や、手足の麻痺の有無(握手、膝立てなどが左右差なくできるか)についても簡単な評価が可能です。呼びかけや指示に反応がない場合、明らかな麻痺、言語障害がある場合は、その旨を救急隊に連絡して脳神経外科医の常駐している病院を救急受診してください。

Q.意識障害の原因としてはどの様な疾患がありますか?

A.頭蓋内、すなわち脳に原因病変がある場合から、内科的な病気の部分症状として発症する場合まで、多岐にわたります。

突然の頭痛とともに発症する場合には、クモ膜下出血、脳出血などが考えられます。痙攣発作を伴う場合には、脳腫瘍、脳出血、脳血管奇形、てんかんなどがあります。また、過去に脳梗塞の既往がある場合や、心房細動などの心疾患がある場合は、脳梗塞の可能性があります。発熱を伴う場合には、髄膜炎、脳炎、脳膿瘍などの頭蓋内感染を疑う必要があります。

頭部打撲後、数時間から24時間以内に意識障害が進行する場合は、頭蓋内出血を生じている可能性があり、脳神経外科医の常駐している病院を緊急受診して、必要な検査を受ける必要があります。また、慢性硬膜下血腫と呼ばれる、頭蓋骨と脳の間に徐々に血液が貯溜して脳が圧迫されて意識障害をきたす病態があり、2-3ヶ月前に頭部打撲の既往がある場合や、痴呆症状や歩行障害に引き続いて意識障害が進行する場合は、慢性硬膜下血腫も疑われます。

そのほか、水頭症(脳脊髄液の循環吸収障害により脳室拡大をきたす病態)による場合もあり、既に水頭症手術(脳室腹腔短絡術などのシャント術)を施行されている患者さんでは、シャント機能不全症を疑う必要があります。 頭蓋外病変、内科的疾患に起因する場合は、病歴、既往症が手がかりとなります。糖尿病、肝性昏睡などの代謝性疾患、甲状腺、副腎などの内分泌疾患の急性増悪、薬物中毒などです。このような場合は、かかりつけ医に至急連絡を取ってください。